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( ^ω^)ブーンは退魔師稼業のようです━╋RETURNS━━

1 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 20:35:42.72 ID:Cigvsslw0
川|' l、:::::|l、:.:.:.|!: : : : : : : : :!
川!   |!::::lヾ、:.:.:ト、: : : : : : : : i     、ミ川川川川川彡
リi|    l;:::| ヽ:.:.l ヽ: : : : : : : :l      ミ        彡
リl ヽ、.,,,L|!,_i|_」,_丶: : : : : : :|!    三 やだこの子 三
l|′   ヾ|  ヽ:| ヾ、: : : : : :|    三月二投下なんて 三
|′    ,ィサ=ミ、 `i   |!: : : : : : l   三 滾ってきちゃう 三
     ,〃,ニ、`ヾi、   |ヾ: : : : : :|     彡         ミ
      〃{ ヾ.  ヾl、 !i |!: : : : : |     彡川川川川川ミ
 ∪   {illlト;;イ!   ||! | ' ||: : : : : |
      |llゞリ;;;|   ||} | / !: : : : : |  O
. . . . . . .i;::ヾ:::l   ,リ !i ,l|!: : : : : !    o
:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ≦′.、 ″ |'/l}l|: : : : : !  o
:::::、:::::::::::::: ̄:::::゙:.:.:.:.:.:|'|!川!: : : : :|
: : :ヽ: : : : : : : : : : : : /||!川l; : : : :|     _|_\
   ′         ,i|州川l|l: : : : !        |  | ヽ
        u  ,イ!|!|}i|!!|l「|i: : : |         / ノ
-‐ '´ヽ      ,.イ|l/!||:|!}i|::|!: : :ト、
  _,./   ,..イ-‐'"´::||!::|||:;::|: : |!:::ヽ    七_
' ´    /l;::::::|三::::::::リ::::リ、!::|: :|!::::::丶   (乂 )
  ,. ‐'´  |::::::|三三:::':::::l::ヾ:l; :|!:::::::::::\


2 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 20:40:02.13 ID:Cigvsslw0
まず最初にゴメンナサイ

実は今日はおまけはありません。と、いうのも

    (⌒⌒)
   ノノノ l|l l|l  作者殺して私も死ぬ!!
  (;゜∋(#゚ー゚)") }}}
  ヽ 、と'^)  l^)´
    〉  ) )、 \
   (_ノ(__) ヽ_)))

しぃさん落ち着いて!!

しぃさんがいつも以上に荒れていてタコ部屋に近づくのは大変危険です。


代わりに当初の予定を大幅に変更し、
今日はかなり長い投下になります。

では、退魔師稼業をお楽しみください。

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 20:44:04.15 ID:wyS4Df5P0
アナル支援

4 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 20:44:20.93 ID:Cigvsslw0

DANGER■□■CAUTION■□■WARNING■□■DANGER■□■CAUTION■□■WARNING■□■


( ^ω^)ブーンは退魔師稼業のようです━╋RETURNS━━

第三章には

     『吐き気をもよおすほどのジョジョネタ』
    
     『クサレ脳味噌かと疑う程の著しい歴史歪曲』

……が含まれている危険があります。

もし何かを感じたら窓を開けて充分に換気した後、安静にする事を固くお願いします。
作者と君との約束だ。


DANGER■□■CAUTION■□■WARNING■□■DANGER■□■CAUTION■□■WARNING■□■


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 20:45:37.35 ID:jij53JZi0
オウフ支援

6 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 20:45:47.94 ID:Cigvsslw0
 

このブーン系小説は

原作『孔雀王』

内藤エスカルゴ様
http://www.geocities.jp/local_boon/

の提供で




以下、正義の如く何事もなかったかのように開始します


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 20:46:00.92 ID:IYQmOl0SO
久しぶりの遭遇支援

8 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 20:47:00.42 ID:Cigvsslw0

(´・ω・`)「おい小僧!! さっさとこっちの酒を倉庫に片づけろ!!」

客は来ないが何故か酒だけは山ほどある真昼間のバーボンハウスにショボンの怒声が飛ぶ。
ショボンは言うだけ言うと、十分すぎるほどゆったりとしたカウチに腰を沈め英字新聞を開いた。
それを受けながらおっかなびっくり大荷物を持って右往左往する大学生風の青年。

( ^ω^)「ったく……。売れないのに仕入れるだけ仕入れるから倉庫はストックだらけだお……」

(´・ω・`)「何か言ったか?」

(# ^ω^)「なんでもねーお!!」

(´・ω・`)「新しいのは奥だぞ。古いのは手前にきちんとん並べとけよ 」

暗闇に潜む魔が、悲鳴をあげて逃げ出す元裏高野の天才退魔師ブーン。
しかし昼間は単なるバーの哀れな雑用。
ドクオが荒巻と共に中国に行ってからというもの、二人分の仕事が一手に回ってきた。

この日も理不尽な言いつけに文句を垂れながらも結局は従う。
ブーンにも他にやることがないのだ。


9 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 20:48:37.51 ID:Cigvsslw0

ξ゚听)ξ「ブーン。こっちにコーラ 」

ノパ听)「私はアイスコーヒーね!!」

从 ゚∀从「それからビールな♪」

バーボンハウスの一角では今日は巫女の格好をした占い師・ハインリッヒ高岡と二人の女子高生がテーブルを囲む。
ブーンは加勢を懇願するような目で見るが、無駄だと知っているので注文された物の準備を始める。
ちなみに、代金はブーンの小遣いからショボンが黙って天引きしていた。

ハインリッヒ高岡、通称ハインはドクオと入れ替わりでバーボンハウスへ訪れた。
ショボンがスカウトしてきた魔専門の占い師だ。
闇の眷属が出現する場所を百発百中で予言する。

その結果ブーン達は事前に万全を以って魔を迎え撃つ事ができ、人間社会への被害を食い止めることができるようになった。
内藤退魔師事務所にとって重要なファクターだ。

从 ゚∀从「見えた!! お前の恋は叶う!! 今すぐにだ!!」

ノハ*゚听)「本当にっ!? やった!! ツン、付き合おう!!」

ξ#゚听)ξ「ブーン!! コーラまだぁ!?」

从*゚∀从「ひゃっひゃひゃひゃwww」

ただし、普通の占いは一切当らない。
いつも無責任な事を吐き捨てては楽しそうに笑っていた。


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 20:48:39.94 ID:vToPaFrlO
今まで何してたのよ!
今更きても…





全力支援

11 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 20:50:00.80 ID:Cigvsslw0
 
( ^ω^)「お待たお待た〜だお♪」

ξ゚听)ξ「……ちょっと氷多いんじゃないの?」

(* ^ω^)「サービスだお♪」

ξ--)ξ「そういう時はコーラの方を多めにしなさいよ……」

甲斐甲斐しく飲み物を運んできたブーンからコーラを受け取る、少し明るい色の髪をした巻き毛の少女。

少女はツン。
ブーンが思いを寄せる可憐な17歳で女子高生。
ついでにその隣に座る友人・ヒート(♀)からも熱いアプローチを受けている。

しかしツンという少女には特別な力がある。

炎の魔神・阿修羅。
その魂を身の内に宿し、自身も炎を自在に操る。
ツンは己の力を用いて、時にはブーン達と共に仕事をこなす退魔師としての顔も持ち合わせていた。


12 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 20:50:50.49 ID:Cigvsslw0
 
(´・ω・`)「暇だな。何か面白いことでもないかな……」

ふと顔を上げ呟くショボン。
しかし『暇だ』と口に出して言ってしまうと虚しさが込み上げてくる。
ショボンは少しだけ泣いた。

从*゚∀从「面白いこと?」

涙目のショボンの一言が耳に入ったのかハインが反応した。
ブーンが持ってきたジョッキ入りのビールはもう半分になっている。
若干、顔も赤いようだ。

从*゚∀从「あるぜwww。 うひゃひゃwww」

残りのビールを喉に流し込みながらいつものように心底楽し気に言った。
ショボンは呆気にとられたような顔でハインを見つめる。
そんな馬鹿な、とショボンは思う。
昼のバーボンハウスは時間を無駄に過ごすためだけに存在する場所のはずなのだ。

从*゚∀从「っていうか来るぜwww。 あと、そうだな……10秒でwww」

(´・ω・`)「10秒で? 何が?」


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 20:50:53.18 ID:ZxLX3UR5O
初遭遇!!
全力で支援させて頂きます!!

14 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 20:52:58.07 ID:Cigvsslw0
 
ショボンはハインが指した方向、バーボンハウスの入り口に顔を向ける。
期待しつつも半信半疑。
何故ならハインの占いは絶対に当たらないのだ。
ただほんのちょっぴり、万が一本当に何か来たら良いな、という感じだった。

しかし信じ難い事に、本当にバーボンハウスに何者かの足音が近づいてくる。
一人ではない。
二人。

一人は乱雑に慌てた足取りで。
もう一人は、乱雑な足音にペースを合わせながらもあくまでも紳士然とした落ち着き払った足取りで。
そしてバーボンハウスの扉が開く。

(´・ω・`)「!?」

ショボンは一瞬目を見開き、来客の正体を確認すると興奮に頬を染めた。

ハインの占いは当たらない。
ただし、『魔に関して』ならば百発百中。
来たのが『吸血鬼』ならば的中して当然。
ショボンは愛読書、『徐々に奇妙な冒険』の敬愛する作者兄弟の来訪にハートを震わせ、

(*´・ω・)「フハハックックックッヒヒヒヒヒケケケケケ、
      ノォホホノォホ、ヘラヘラヘラヘラ、アヘアヘアヘ 」

オツムがイカれた。
ショボンが見ているその場所。
そこにはイカすポージングをキメた二人の素敵な兄弟が立っていた。


15 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 20:53:59.34 ID:Cigvsslw0

( ´_ゝ`)「オレの要求は………、たった一つだぜ…SYOVO…
      たった一つの単純な要求だ…」

( ^ω^)「産業で 」

(;´_ゝ`)「締切明日。
      原稿白紙。
      お願い助けて!!」

(*´・ω・)「おk。把握した。
       よ〜し、描くぞー!!」

ショボンは一瞬の迷いすらなく、シャツの袖を巻くし上げると奥の部屋へと消えて行った。
カルト的人気を誇る『徐々に奇妙な冒険』の熱狂的信者・ショボンにとって、作者の手伝いが出来るならば魂を捧げても屁とも思わない。
しかしブーンが気にしているのはそんな事ではない。

(# ^ω^)「そっちじゃねぇお!!
      その手の説明をしろって言ってんだお!! 」

その視線の先には兄者の両手に優しく包まれるツンの小さな白い手が……

( ´_ゝ`)「運命、って信じるかい?」

ξ;゚听)ξ「は?」

ブーンは盛大に青筋を額に浮かべ、今にも噴火しそうな勢いでアニジャに噛みつこうとした。
目の前で愛するツンがちょっぴり危険な雰囲気を醸し出す年上の吸血鬼にナンパされているのだ。
ツンは突然の事態に困惑する以外になかったが、ブーンは気が気ではない。


16 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 20:55:30.23 ID:Cigvsslw0

(´<_` )「はっはっは、そこまでだ兄者。
      仕事をしに来たんだろう?」

不穏な雰囲気を察知したのか、同じ顔をした弟が割って入る。
兄と違って物事の道理を弁えた真の大人の男。
本当の紳士、オトジャ・ヒロヒコ・バレンタイン。

( ´_ゝ`)「仕事など、運命の出会いの前には今までに食ったパンの枚数と同程度にどうでも良い……」

(´<_` )「 兄 者 」

オトジャが語尾を強くすると、兄はしぶしぶショボンが現在大絶賛作業中であろう部屋へと消えて行った。
兄はアニジャ・アラーキー・バレンタイン。

二人はM県S市M王町の現町長にして、戦国時代より400年もの間この町の領主。
兄は漫画家としての顔も持つ『吸血鬼』の兄弟だった。

(´<_` )「ところでお嬢さん、運命を信じますか?」

ξ;゚听)ξ「え?」

(; ^ω^)「オトジャさん!!」


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 20:56:46.63 ID:Pd/pagtq0
支援!!

18 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 20:56:49.69 ID:Cigvsslw0

(´<_` )「はははっ、ガラにもなくはしゃいでしまったな。
      久しぶりだね、ブーン君 」

オトジャはブーンとガッチリと手を握り合い、嫌味無く微笑んだ。
ブーンも同じ笑顔で返す。

かつてパンゲアの襲撃からエイジャの赤石を守り抜いた戦友。
遙かに離れた年齢、人間と吸血鬼という垣根。
それらを超えて両者には固い友情が生まれていた。

(´<_` )「こちらは初めましてだね、美しいフロイライン方。
      私はオトジャ・ヒロヒコ・バレンタイン。
      吸血鬼だが、兄も私も血は口に合わなくてね。
      だから人間とも上手くやれると信じている 」

ツン、ヒート、ハインと順に握手を交わす吸血鬼・オトジャ。
ツンは緊張した面持ちで、ハインは酔っ払ったままで。
そして百合乙女ヒートは、あろうことか少々顔を赤らめてそれに答えた。


19 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 20:58:18.39 ID:Cigvsslw0
 
(´<_` )「兄者は以前見たショボン君の腕前に驚愕してね。
      白紙の原稿に下書き無しでインクを飛ばして寸分違わずベタ塗りするような男は彼しかいないらしい。
      今回のピンチに藁にもすがる思いで……ん?」

言葉を止める。
腕に温かみを感じたオトジャがそちらを見ると、ヒートがしっかりと縋りついていた。

ノハ*゚听)「私っ!! オトジャさんの事知りたいです!!」

素直に、熱く、直球勝負。
ヒートのあまりにもキラキラした視線にオトジャは目が眩みそうになる。

( ^ω^)「そういえばオトジャさん達ってルーマニア出身ですお?
      いつ日本に来たんだお?」

ブーンもそれに便乗する。
オトジャはツンとハインの顔を見る。
ツンは興味があるような素振りを見せている。
片方はもう完全に出来上がっていたので無視することにした。


20 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 20:59:15.96 ID:Cigvsslw0
  
(´<_` )「ふむ……」

奥の部屋に耳を傾ける。
中からはペンを紙に走らせる音と共に『URYYYYYY!!』や『オラオラオラ!!』といった絶叫が聞こえていた。
作業は順調に進んでいるようだ。

(´<_` )「少し長くなるが良いかい?」

オトジャは突然テーブルいっぱいに豪華絢爛なティーセットを広げた。

ブーンはどこに持っていたのか気になったが、オトジャが紳士であることを思い出して納得した。
紳士ならばティーセットの一つや二つ、持ち歩いていて然り。
紳士に不可能はないのだ。

(´<_` )「とても良い時代だった。
      素晴らしい人間達が力強く生き、私達は感動に似た感情に心を震わせたよ 」

オトジャは一人一人に紅茶を注ぎながら懐かしそうに目を閉じた。
表情はいつも以上に柔らかく、口元には若干の笑みが伺える。

そしてオトジャは紡ぎ出す。
人と吸血鬼、共に壮絶に生き、鮮烈に死んだ戦いの物語を。


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 20:59:28.23 ID:V04Yj5+e0
全力で支援!

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 20:59:53.01 ID:nXXP3Zeq0
   http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1240641694/

             戦士よ集え!


20:50よりアパッチ砲で違法サイトサーバーを攻撃中
目標はサーバーダウン
参戦者集う
            /\___/ヽ
         /ノヽ       ヽ、
         / ⌒''ヽ,,,)ii(,,,r'''''' :::ヘ
         | ン(○),ン <、(○)<::|  |`ヽ、
         |  `⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒´ ::l  |::::ヽl  
.        ヽ ヽ il´トェェェイ`li r ;/  .|:::::i |
        /ヽ  !l |,r-r-| l!   /ヽ  |:::::l |
       /  |^|ヽ、 `ニニ´一/|^|`,r-|:「 ̄
       /   | .|           | .| ,U(ニ 、)ヽ
      /    | .|           | .|人(_(ニ、ノノ
まとめwiki:http://www29.atwiki.jp/totugekiyokoku/pages/128.html


23 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:00:21.45 ID:Cigvsslw0
 
(´<_` )「私達がこの国へ来たのは今は確か……。そう、今は戦国時代と呼ばれている 」







          ( ^ω^)ブーンは退魔師稼業のようです━╋RETURNS━━

             ――――第三章・或る兄弟の東方見聞録――――


                       〜その1、ジパング〜







24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 21:02:30.95 ID:ZLAMuPuZO
支援

25 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:02:48.55 ID:Cigvsslw0
 

───1542年、日本。小さな漁村。


(; ´_ゝ`)「マルコの野郎……
       何が黄金の国だよ……」

浜辺に上陸したアニジャは心底落胆していた。
その横で乗ってきた小さなボートをキチンと水辺から引っ張り上げるオトジャ。

(´<_` )「父者の友人だぞ兄者?
      話半分でもお釣りがくる 」

こちらは特に狼狽した様子もない。
アニジャが期待していた何かについて、頭から信じてなどいなかったからだ。

(; ´_ゝ`)「トランシルバニアから遥々やってきたのに!!
      黄金の館で黄金風呂に入って、黄金美女と酒池肉林の黄金ハーレムを黄金で黄金の……」
 
(´<_` )「諦めろ兄者。
      良い所じゃないか。長閑で 」

(# ´_ゝ`)「ブツブツ……蹴り殺してやる……マルコ・ポーロのド畜生が……」

アニジャの心の中はバリバリ裂けるドス黒いクレバスだった。
しかしふと思い出す。

(* ´_ゝ`)「あ、とっくの昔に死んでたわwww」


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 21:02:57.97 ID:/wurjYj1O
支援

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 21:03:26.99 ID:V04Yj5+e0
支援

28 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:03:52.55 ID:Cigvsslw0
 
照れたように頬を赤らめると、アニジャは改めて海を、そして陸地に見える拙い村を眺めた。
粗末な造りの民家を五〜六軒ほど確認することが出来る。
とりあえず、金銀珠玉の類が期待できないことだけは確かだ。

( ´_ゝ`)「全くよ〜。
      こんな貧乏そうな村じゃ、子供時代を思い出してノスタルジックに浸るくらいしかできねーな 」

(´<_` )「兄者。まずは食事を調達したいところだな 」

( ´_ゝ`)「飯?
      そういえば腹が減ってるような気がしないでもないとも言えなくもない 」

(´<_` )「よし、ではあちらに見える民家へ行ってみよう 」

潮風に背を押されながら二人は足取り軽く村へと向かう。
空と海の青だけだった退屈な海上に比べれば、例え貧しい村でも嬉しいものだ。

ヨーロッパからシルクロードを辿り、アジアで航海術もないのに小船に乗り換えた。
海の上を星を頼りに漂流すること数か月。

普通の人間なら間違いなく海の藻屑となっている。


29 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:05:28.37 ID:Cigvsslw0
 
( ´_ゝ`)「弟者、ちょっと聞きたいんだけどさ 」

(´<_` )「この臭いの事か、兄者?」

海辺から歩く事数分、最も近い場所にあった民家の目の前まで来ると兄弟は足を止めた。
遠くから見てもそうだったが、近づくとますます明らかになる。

基礎もない地面から直接生えた、穴だらけの板だけの外壁。
気持ち程度に乗せられた茅葺の屋根。
擦り切れた粗末なゴザのようなものを入り口に垂れ掛け、かろうじて家の外と中を区切っている。
冬は吹きっ晒しの風に凍える事だろう。

その民家の中に声をかけることを、兄弟は躊躇した。

(´<_` )「……残念だ 」

弟者は神妙な面持ちで目を瞑った。
頭の中で聖書の一節を諳んじる。

( ´_ゝ`)「そう言えば人っ子一人いねぇな。
      飢饉かな……?
      まぁ、ここにオレらが来たのも何かの縁だ。
      墓くらい掘ってやっか 」

兄弟の鼻先に臭ったのは死臭だった。
目の前の薄い壁を隔てて、間違いなく中で人間が死んでいる。
アニジャはおもむろに入口に下がっているゴザを捲り上げ中に入った。


30 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:06:23.91 ID:Cigvsslw0
 
( ´_ゝ`)「……ふぅ、ガリッガリだな……」

民家の中は恐ろしく狭い。
中に入れば嫌でもそれが目に付いた。
背中にクッキリと背骨と肋骨が浮き出た、入口に背を向けた人間の死体。

死んでかなり時間が経っているのだろう。
皮膚は黒ずんで腐敗が進み、嫌な臭いを放っていた。

アニジャは二、三歩で哀れな死体に歩み寄り、せめて死に顔を見取ろうとその細い肩に手をかけた。

( ´_ゝ`)「ちっ……
      弟者、これを見てみろよ 」

アニジャの声音は怒りを含んでいた。
オトジャはアニジャに促され、同じように死体の側に屈み込む。
同じ物を見て、同様に不快感を顕わにする。

(´<_` )「馬鹿な事を…… 」

……一目見るだけで分かった。

死体の前面は喉元から下腹部に賭けて大きく抉れている。
肉が綺麗に削ぎ落とされ、中にあるはずの臓器類は一切ない。
強いて言うなら、途中で千切れた腸の一部が心もとなく垂れ下がっていた。

その腸の先は何者かに食い千切られた歯形がくっきりと残っている……


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 21:07:31.83 ID:iujDGvY10
       ,,-'  _,,-''"      "''- ,,_   ̄"''-,,__  ''--,,__
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         ("  ./   i {;;;;;;;i|    .|i;;;;;;) ,ノ    ii
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     ,,/^ヽ,-''":::i/::::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ::::::::::::ヽ,_Λ
     ;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;:::/;;;;;;:::::::::;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::;;:;;;;:::ヽ
支援

32 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:07:37.71 ID:Cigvsslw0
 
( ´_ゝ`)「食ったんだな。
      この歯形は野犬とかそんな感じの動物じゃあねぇ……」

(´<_` )「ようやく着いたと思ったらコレか。
      この国の第一印象は最悪だな 」

アニジャは小さく「腐れ外道が……」と呟くと、足元に転がっている死体に室内にあった藁布団を被せた。
同時におかしな事に気付く。

ここは漁村だ。
山奥の農村なら農作物が取れない事で飢饉にもなるだろう。
しかしここなら、魚や貝などいくらでも食いつなぐことは出来たのではないのか……。

(´<_` )「兄者、気付いたか?」

( ´_ゝ`)「何でコイツ、こんなにガリガリになるまで物食わなかったのか。
      何で人同士で食い合う事態になったのか、って事?」

(´<_` )「ふむ、少し違うが関係はあるだろうな…… 」

オトジャは一度目を瞑ると力強く見開いた。
その双眸には冷たい光が宿る。
人では決してありえない、吸血鬼特有の赤い光。

(´<_` )「囲まれているぞ、兄者!!」


33 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:09:12.46 ID:Cigvsslw0
  
その言葉と同時に二人は弾けるように飛び出した。
人の瞬発力を遥かに超える吸血鬼達の視界は、狭い小屋から一瞬で開けた海辺と青い空へと切り替わる。
そして目にする。

二人を囲む夥しい数の人影、腐敗した臭いと色の肌をした痩せこけた餓鬼の群れを。

(; ´_ゝ`)「何と皆さん随分と痩せこけてらっしゃる!!」

しかし餓鬼などという妖怪は西洋人が知るはずもない。
アニジャは驚愕して憤慨した。
この国の衛生管理はどうなっている、と。

( ´_ゝ`)「これは良くない!!
       だがその前に名乗らせていただこう。
       バレンタイン。アニジャ・アラーキー……」

見るからに腹をすかせた可哀そうな民衆をスタイリッシュに救ってやらねばならない。
アニジャの思考回路はこうだった。
まずは救世主の名を名乗らねばならない。

(* ´_ゝ`)「バレンタイン!!」

アニジャは控え目に言ってもミケランジェロの彫刻のようにカッコ良くて美しいポーズをキメた。
この上なく満足気な顔で、ビシィッと突き出した人差し指を虚ろな目をした餓鬼に向けている。
餓鬼の方はと言うと突き出された同じものを見て食欲が刺激されたのか呻き声のような歓声を上げた。


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 21:11:45.14 ID:onTFsfgOO
シエネッタ

35 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:11:50.43 ID:Cigvsslw0
 
(´<_` )「ふぅ……やれやれだ……」

……一方オトジャは今の状況を的確に理解していた。
 
(* ´_ゝ`)「さぁ、みんな一緒に!!
       ハッピー うれピー よろピくね♪
       ハッピー うれピー よろピくねー───♪」

アニジャはというと既に友愛の歌とダンスを始めていた。
周囲を舞い踊りながらヒラヒラと餓鬼の鼻先から鼻先へとステップを踏んだ。
その度に目の前のアニジャに食いつこうとするが、
緩慢な動きの餓鬼の顎は不規則に踊るアニジャを幸いにも捕らえられない。

(´<_` )「兄者……楽しんでいる所悪いんだが……」

そろそろ自分の方にも餓鬼が興味を示し始めた。
オトジャは特に恐ろしいとも感じなかったが、そろそろアニジャを止めても良いような気もした。

                    フリークス
(´<_` )「彼らは人間じゃない!! 化け物だ!!」

途端に幸せそうな笑顔だったアニジャの顔が曇る。
そして友人になろうとしていた連中を良く眺めてみた。


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 21:12:22.82 ID:IYQmOl0SO
しえーん

37 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:12:55.38 ID:Cigvsslw0
 
( ´_ゝ`)「フリークス?
       弟者、今コイツらをフリークスって言ったのか?」

|゚Д゚/「うぅぅぅぅ・・・おぉぉぉぉ・・・肉・・・食わせ・・・ろ・・・」

アニジャは米神に指を当て眉を寄せると大きく息を吐いた。
オトジャが相手が人ではないと告げたそのときから、アニジャは足を止めてしまっている。
それでは永遠に飢えた餓鬼の動きが、どれほど遅くとも距離を詰め歯を立てることが可能。

( ´_ゝ`)「何だよ、そう言う事は早く言ってよ、弟者。
       この国じゃどうか知らんがな、吸血鬼ってのはな……」

|゚Д゚/「肉ゥゥゥゥっぅう!!!!」

アニジャの頭部を丸ごと噛み砕こうとした一匹の餓鬼。
一瞬だった。
一瞬、刹那の時。

餓鬼の頭部は腐った血の色をした霧に弾けた……。

( ´_ゝ`)「フリークスの中でも極上の部類に入るのよ。
       じゃ、あの世で自慢しな。
      『僕達は吸血鬼に殺されっちゃったんでちゅ〜』ってさ 」

38 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:14:32.27 ID:Cigvsslw0
 
アニジャが言った『吸血鬼は極上の化物』だという事。
これは限りなく正しい。


腕力──。体力──。瞬発力──。
反射神経──。状況判断能力──。空間把握能力──。

エトセトラ エトセトラ……


戦闘に於けるあらゆる身体能力に於いて吸血鬼のそれは飛び抜けている。
その様な吸血鬼が二人いる。
彼らにとっては殴るだけ、蹴るだけで充分だった。

餓鬼とは永遠に癒える事の無い飢えを満たす事のみに囚われた存在。
食う事以外に興味を見いだせない脳は相手が何なのか理解する事はない。

(# ´_ゝ`)(´<_`# )「「WWWWWRRRRRYYYYYYYYYYYAAAAAAA!!」」

二人が何かを叫んでいても頭の中にあるのは肉を咀嚼する事だけだ。
口に入れた全てが炎となり胃袋に入る事はなくとも、そんなことはお構いなしだ。

だから次々と仲間が──正確には仲間と言う意識があるかどうかすら定かではないが──
次々と仲間が血煙に変わって行くのにもお構いなしだった。
最終的には自分の上半身が剛力に消し飛ばされる瞬間も食うことのみを考えていた。


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 21:16:33.19 ID:V04Yj5+e0
支援す

40 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:17:10.66 ID:Cigvsslw0
 
( ´_ゝ`)「ほい、駆除完了 」

(´<_` )「そんな言い方は良くないな兄者。
      せめて掃除完了と言うべきだ 」

汗一つ流さず、そして粉々に相手を粉砕しながらも返り血の類を一切身に受けず、
吸血鬼兄弟は造作もなく多数の魔物を殲滅した。

アニジャとオトジャは好き好んで戦う事はしない。
それは吸血鬼の食糧でしかないはずの人間との共存を、父母から教育されてきた故だ。
分かりあえる事を知っている吸血鬼達は相手が人間でも魔でも同様に扱った。

しかしながら危害を加えてくる相手に容赦はしない。
二人は博愛主義者ではあるがマゾではないのだ。
自分達を殺そうとして来る者への殺意には、全霊の殺意を以って返す。

(´<_` )「元は人間だったろうに……。
      哀れな者達だ。兄者、祈りを 」

( ´_ゝ`)「あ〜、そっちはお前に任せる。
      オレは墓でも掘ってっから 」


41 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:17:58.15 ID:Cigvsslw0
 
そう言ってさっさと適当な場所を適当な木材で地面を穿り返すアニジャ。
ザクッ、ザクッという小気味の良い音を背中に受けながら、
オトジャは十字を切ると片膝をつき、手を組んで頭の中で聖書の一節を諳んじた。
吸血鬼に信仰する宗教はないが、人間の友人はこのやり方で死者を弔っていた。
この国の神は知らないが、万民に慈悲を与える存在が神ならば問題ないだろう。
 
「きゃぁぁー───!!」

( ´_ゝ`)(´<_` )「「っ!!」」

墓穴に死んだ餓鬼達と最初に発見した死体を全て収容し終えた時だった。
耳をつんざくような悲鳴が海とは反対側──小さな山だったがその方向から聞こえた。
少女の悲鳴のようだ。更に──

「ZUooooooooooooohhhhhhhhHHHHH!!」

(´<_` )「こちらもかっ!?」


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 21:18:38.87 ID:jij53JZi0
しえしえ

43 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:18:44.76 ID:Cigvsslw0
 
弾けるようにオトジャは振り返る。
今度は海側から、足元から地面が振動するのを感じるほど野太い絶叫が届いた。
こちらは間違いなく人間ではない。

(´<_` #)「少女の叫び声と魔物の雄叫び!?
      二手に分かれるしかないぞ兄…… 」

……アニジャは既にいなかった。

(´<_` )「……さて。私は魔物の方へ行くか 」

オトジャは嫌な顔をすることもなく、アニジャが行っていないはずの方向へと駆け出した。

  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 21:20:57.69 ID:iujDGvY10
支援

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 21:27:06.72 ID:V04Yj5+e0
さる?支援

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 21:28:24.21 ID:iujDGvY10
支援

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 21:29:04.93 ID:TyrvWw3XO
支援ッ!
せずにはいられない!

48 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:29:25.85 ID:Cigvsslw0
 
  ▽  ▲  ▽  ▲  ▽  ▲  ▽  ▲  ▽  ▲  ▽  ▲  ▽  ▲  ▽  ▲

手入れのされていない山中の大木の足元。
幼い少女が必死に口から漏れる息を掌で抑えつつ、小さく竦んでいた。
隠れているつもりだ。
しかしながら、少女が着ている鮮やかな赤の着物は無慈悲にもその姿を浮かび上がらせていた。

l从;∀;ノ!リ人「誰か助けてくれなのじゃ!! 兄者ー──!!」

少女が最も信頼するのは彼女の兄だった。
小さな体は恐怖で支配され、思わずその名を叫んでしまう。
しかしその合理的ではない行動は、先程従者を食い殺し、今は自分を食おうと追いかけてくる魔物を呼び寄せるのだ。

|゚Д゚/「肉肉肉肉肉肉ぅー───!!
    食わせろ!!食わせろぉぉぉぉぉぉ!!」

l从;∀;ノ!リ人「いやぁぁぁー!! 兄者!! 兄者ー────!!」


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 21:31:14.30 ID:iujDGvY10
支援

50 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:31:52.69 ID:Cigvsslw0
 
吸血鬼兄弟が血塵に変えた餓鬼の生き残り。
それが少女の肩に、骨と腐った色の皮だけに過ぎない両手が信じ難い強さで食い込む。
顔を背けたくなる酷い口臭を放つ口を、顎が外れるまで開き食いつこうとした時──

( ´_ゝ`)「おっとそこまでだこの……」

──アニジャの手刀が餓鬼の首から上と下を分断した。
 
ゆっくりと倒れる首を失った体が、地面に届く前にアニジャは強烈な蹴りを入れた。
それは最早原形を留めることもなく粉々に吹き飛ぶ。

( ´_ゝ`)「品の無いバカ野郎が。
      こういうのが居るからオレ達って誤解されちゃうんだよね。
      オレはこんなにハンサムなナイスガイなのに 」

アニジャは服と靴に餓鬼の返り血や肉片がこびり付いていないことを確認すると一息ついた。
全く……こっちは長旅で疲れてるのに……。
一息ついでに溜息も一つ。


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 21:31:58.99 ID:V04Yj5+e0
燃え尽きるほど支援ッ!

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 21:34:13.12 ID:iujDGvY10
支援

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 21:34:31.75 ID:/wurjYj1O
全力で支援する!!

54 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:36:27.64 ID:Cigvsslw0
 
l从・∀・ノ!リ人「……」

少女は目を丸くして一連の出来事を目の当たりにした。
訳も分からぬ化け物に殺されそうになったと思ったら、
見たこともない服に身を包んだ男が現れ鬼の様な剛力で窮地を救ってくれたのだ。
しかもその男、良く見ると……

( ´_ゝ`)「おや?おやおややや?
      しまった!!
      麗しきティーンを救ってしっぽり濡れ濡れうはうはナイトの予定だったのに!!
      なんと年端も行かぬ幼女じゃないか、どチクショウめ!!」

と、ここでアニジャは初めて自分が救った悲鳴の主を視認する。
この国の衣服に詳しくはないが、幼女が着ている真っ赤なそれは一目で高級品だと分かった。
顔は涙でぐしゃぐしゃだが、良く見ると何処となく育ちの良さを感じさせる顔つきだ。


55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 21:37:57.77 ID:yL4bEj4C0
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1240658428/

             戦士よ集え!

21:45よりアパッチ砲で違法サイトサーバーを攻撃
目標はサーバーダウン 現在人手が足りていない!
君たちの助けが必要だ!参戦希望者は上記のスレに至急こられたし

            /\___/ヽ
         /ノヽ       ヽ、
         / ⌒''ヽ,,,)ii(,,,r'''''' :::ヘ
         | ン(○),ン <、(○)<::|  |`ヽ、
         |  `⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒´ ::l  |::::ヽl  
.        ヽ ヽ il´トェェェイ`li r ;/  .|:::::i |
        /ヽ  !l |,r-r-| l!   /ヽ  |:::::l |
       /  |^|ヽ、 `ニニ´一/|^|`,r-|:「 ̄
       /   | .|           | .| ,U(ニ 、)ヽ
      /    | .|           | .|人(_(ニ、ノノ


56 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:38:39.02 ID:Cigvsslw0
 
l从・∀・ノ!リ人「あ……に……」

( ´_ゝ`)「ん? どうした幼女?
      オレがセクシーすぎて好きになっちゃったのか?
       だったら15、6年しておっぱいがだな──」

アニジャの顔を見て驚いたように口をパクパクさせるだけだった幼女は、ようやく何事かを言い始めた。
アニジャは出来るだけ怖がらせないように明るく笑って見せる。
すると突然──

l从;・∀・ノ!リ人「兄者!! もう離さぬぞ!!」

(; ´_ゝ`)「い……いや、だからな。
      オジサンみたいな大人がお前みたいな幼女と一緒にいると多方面から色々とだな……」

突然幼女に抱きつかれ仰天する。
この絵は客観的に見れば途轍もなくマズい状況だ。
力いっぱい抱きしめてくる幼女の頭が、丁度兄者の股間ほどしかないのがマズさに拍車をかける……。

……アニジャは気付いた。

( ´_ゝ`)「……って、あれ?
      お前さっきオレの名前呼ばなかった?」

 △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼


57 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:42:24.38 ID:Cigvsslw0
 
 △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼

(´<_` )「大きい!!」

一方その頃、浜辺に付いたオトジャは警戒を余儀なくされた。
海から真っ黒な丸い物が頭を出して佇んでいた。
ゆうに十メートルはあるだろう。

(::::::::::;;;::::::)「………」

オトジャは知る由もないが、これはこの国では『海坊主』と呼ばれる妖怪。
海坊主は大抵大人しく、人に悪戯をしても危害を加える事は滅多にない。
だがコイツは違う。

『黒き入道のかしら』

これに出会ったら一切音を立ててはならない。
口を聞くどころか呼吸も心臓の鼓動ですら危うい。
もし小さな音でも立てようものなら、
黒き入道のかしらはたちどころにその者を捉え、永遠に海の底で弄ぶだろう。


58 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:44:39.14 ID:Cigvsslw0
 
(::::◎;;;◎:)「DOOOOOOOHHHHHHAAAAAAHHHHHHH!!!!」

不快に黒光りする体から、海水を滴らせながら黒き入道のかしらは再び吠えた。
カッと見開いた皿の様な金の目が、黒くぬめる体表に反して不気味なほど浮き出て見える。
良く見ると肉の塊の様な不格好な腕が体の横に付いているが、
巨大な体にあまりにも釣り合わない所を見ると、まるで腕の意味をなしてないだろう。
 
(´<_` )「これは私一人では少々骨だぞ。
      戻って兄者を連れてくるか 」

オトジャがこう判断するのは、ウナギのようにぬめりのある敵の体表に要因があった。
如何に強力な攻撃力を備えているとはいえオトジャは今は素手だ。
刃物でもあれば別だが、徒手空拳の攻撃は頼りなく滑っていくだけだろう。

(::::◎;;;◎:)「VUuuuuuuuuRuuuuuuuuuu!!」

海の妖怪が海面に倒れ込み盛大な水しぶきを上げた。
既に水深が浅かったのか、体の半分は水の上に出ている。
さらに芋虫のように体を脈打たせながら陸へと迫った。


59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 21:46:02.67 ID:V04Yj5+e0
紫煙

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 21:46:10.17 ID:9O+ktxpe0
支援

61 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:51:02.91 ID:Cigvsslw0
 
海の妖怪が上陸する!!
この状況でも二本の哀れな腕は、分厚い体のせいで地表に届く事はなく虚しく空を掻いていた。
やはり腕としての存在理由が全く分からない。
なお、下半身には尾ひれの様に二股に別れた無様で小さな足が付いているように見えた。

(´<_` )「コイツが海に居たせいで彼らは漁に出られなかったんだな……
      ……ん?」

∫λリ゚ -゚ノノ「………」

オトジャが見たのは黒き入道のかしらが向かう陸の先。

男が一人立っていた。
純白の羽織袴の上に、見事な鳳凰の刺繍を入れた紺の陣羽織。
その鳳凰の二つの翼には『魔』と『召』の二文字を刻んでいる。

……いや、もしかしたら女なのかも。

そこに居た者は解けば腰まではありそうな絹の様な黒髪を高々と結い上げ、腰に二本の長刀を差し、
歪みなく真っ直ぐに伸ばした背は長身を際立たせ、双眸には強い意志の光を宿していた。


62 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:52:48.45 ID:Cigvsslw0
 
この国ではこのような人間を『侍』と呼ぶ──。
侍とは魂の名称。
戦いに身を置く誇り高き生き様の名称。


──そしてこれがとんでもない美貌の持ち主だった。


オトジャはその気は全く無いにも拘らず一瞬胸が高鳴る。
出来れば女だったらいいな。
と性別不詳のこの侍を見て思うが、良く考えれば今はそれどころではなかった。

(´<_` ;)「現地の者か!?
      マズい!! 君!! 今すぐそこから離れるんだ!!」

腰に差した二刀、更に迫る魔にも微動だにしない度胸と姿勢。
これだけで並の達人ではない事は簡単に想像がついた。
しかしいくら強者であっても人間が魔物に敵う筈がない。

∫λリ゚ -゚ノノ「『黒き入道の頭』……。
        これは中々大物にゴザル 」

目の前に迫る魔物に、侍は何かを呟いた。
──これがいけなかった。
黒き入道のかしらを見た者に、音を出す事は許されてはいない。


63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 21:52:55.58 ID:/wurjYj1O
支援

64 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:54:04.97 ID:Cigvsslw0
 
(::::◎;;;◎:)「K I I I I I YYAAAAAAAAAAHHHHHHHH!!!!」

喜びとも惧れとも取れる悲鳴の様な雄叫び。
いや、恐らくは歓喜しているだろう。
その証拠に口を大きく開けているではないか。

獲物を喰らうために……。
 
(´<_` ;)「いけない!!
      間に合わ───!!」

吸血鬼の足を以ってしても間に合わない!!
頭がそう理解したその瞬間──

(::::| |◎;| |;;◎:)「KE……HI……?」

∫λリ゚ -゚ノノ「………ふぅぅぅぅぅぅぅ。
        しかしまだまだまだ。長い生の内にもう少し精進するべきでゴザったな 」

オトジャの目ですら捕らえるのがやっとだった。
侍は黒き入道の大口が自らの頭に齧り付くその刹那の時に、二本の刀を引き抜き跳んだ。
辛くも魔物の口を逃れた侍は、頭上を高く越えながら頭蓋に刀を突き立てていた。


65 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:55:09.95 ID:Cigvsslw0
 
その切れ味たるや想像を絶する鋭利さで、大して力を入れているようにも見えなかったが、
黒き入道のかしらの頭部はなますに切り刻まれていた。

(´<_` )「これは……。何という強さ。しかし…… 」

眉目秀麗な容姿におよそ似つかわしくない惨い剣術。
これは人間を相手にする剣では無いことは明らかだった。

(´<_` )。o ○(退魔師の類か。
          あの強さ……、並ではない。姿を見られる前に立ち去った方が無難かもしれないな)

∫λリ゚ -゚ノノ「あいや待たれい。そこな御仁。
        お主もしや人にあらざるものではござらんか?」

(´<_` )。o ○(……。話の通じる相手なら良いが……)

オトジャは慎重に相手の出方を伺う。
気付かれないうちに立ち去るのであれば良かった。
だが今、この侍──もとい退魔師はオトジャを確認してしまった。

今立ち去れば逃げるという事。
それはオトジャの名誉に関わる問題で決して譲れない。


66 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:56:19.38 ID:Cigvsslw0
 
∫λリ゚ -゚ノノ「引き止めて失礼仕った。
        拙者の目に狂いがなければ、お主人外の者であろう?」

オトジャは慎重に言葉を選ぶ。
負けるとは思わないが、戦わずに済むならそれが一番だ。

(´<_` )「……いかにも私は故郷ではヴァンパイアと呼ばれていた。
      もしくはノスフェラトゥ。
      だが勘違いしないで欲しい。
      私は人に危害を加えるような事は決してしない 」

∫λリ゚ -゚ノノ「"のすへらと"? もしやお主、伴天連の魔物か!?
        そうかそうか!! それは遠いところよくぞ参った!!」

(´<_` )。o ○「(どうやら無暗に襲いかかってくることはなさそうだな )

オトジャはホッと胸を撫で下ろした。
この言い方からは歓迎の気持ちが感じられる。


67 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:57:19.17 ID:Cigvsslw0
 
(´<_` )「私はオトジャ・ヒロヒコ・バレンタイン。
      この国には先ほど兄と共に訪れたばかりだ。
      何分右も左も分らない異国の地d── 」

∫λリ゚ -゚ノノ「何と兄までおると申すか!?
        では当然その兄も"のすへらと"なのだろうな!? な!? 」

(´<_` )「ん? あぁ、勿論そうだがそれがどうs──」

∫λリ゚ -゚ノノ「伴天連の魔が二人も同時に!!
        何たる幸運か!! これで一族の者共の鼻を明かせるというもの!!」

(´<_` )「お〜い。ノックしてもしもお〜〜〜し 」

オトジャとの会話が成立すると分かるや否や、まくし立てるように近づいてくる。
顔の距離が近づけば近づくほど、オトジャは華やかで恐ろしいほどの艶っぽさを思い知らされる。
オトジャは思わず赤面して顔を背けてしまった。

∫λリ゚ -゚ノノ「ややっ!! これは失礼!!
        あまりの幸運に少々我を見失ってしもうてな。失敬失敬www」

ようやく少しだけ離れてくれた。
この人間が自分に悪意を持っていない事を充分に吟味した。
あとは無駄な戦いを避けたいが相手は退魔師──。


68 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:58:15.04 ID:Cigvsslw0
 
(´<_` )「そうか……。
      ところで無理を承知で頼みがあr── 」

∫λリ゚ -゚ノノ「良い良い!! 皆まで言うな!!
        申し遅れたが拙者の名は"葛葉ライドウ"。
        この名は世襲制でな、五代目にゴザる。
        堅苦しいのは嫌いでゴザッてな、クーと呼んでくだされい!!」

また顔を近づけてくる。
ぽーっとしながらもオトジャは、この人間は人の話を最後まで聞いていられないのか?と切に思った。
そして突然我に返る。

(´<_` )。o ○(ん?葛葉……? この名どこかで……。
          確か母者の話の中に……)

『葛葉ライドウ』──。
この人間はそう名乗った。
何か引っかかる。

この名はどこか引っかかる……。


69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 21:58:43.42 ID:iujDGvY10
支援

70 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:59:09.04 ID:Cigvsslw0
 
∫λリ゚ -゚ノノ「更に申し遅れたが、葛葉の家は代々悪魔召喚師を生業としている者。
        そんな拙者の前に、お主らが現れたのは何かの縁 」

その瞬間オトジャの全身の筋肉は弾けるように緊張を生み出した。

(´<_` )。o ○(悪魔召喚……っ!! デビルサマナーか!!
        思い出した!! 初代・葛葉ライドウ!!
        かつて母者と闘って、唯一手傷を負わせたという東洋の退魔師!!)

吸血鬼にも反抗期はある。
双子の兄弟だと丁度同じ頃に母親に逆らいたくなる。

……だが、兄弟の力を以ってしても彼らの母親に傷一つ付ける事は出来なかった。


ハハジャ・アーカード・バレンタイン。


吸血鬼兄弟の母親にして、この世に於いて最強のヴァンパイアマスターである。

その母親は寝物語に良くこの話を聞かせてくれたのだ。

≪、@#_、_@                                       ≫
≪ (  ノ`)「アンタ達、葛葉ライドウって東洋の退魔師にゃ気を付けな…… ≫
≪                              ありゃね……狂ってるよ」≫


71 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 21:59:50.93 ID:Cigvsslw0
 
(´<_` ;)。o ○(何ということだ!? この国に着いた初日だぞ!!)

オトジャは身に降りかかった不幸を呪った。
五代目と名乗っていたから母親と闘った当人ではないだろう。
しかしその一族の者が一筋縄で行くはずがない。

最強の吸血鬼、ハハジャですら警戒する退魔師が今目の前に居る!!
 
∫λリ゚ -゚ノノ「どうする?
        1.にこやかに話しかける。
         2.力で叩き伏せる。
       →3.金銭を与える 」

(´<_` ;)「?? 何だこの選択肢は?」

何かが見える。
いや、見えないんだけれども見える気がする。
カーソルが上下して何かを選ぼうとしているような気がする。


72 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:01:21.04 ID:Cigvsslw0
 
∫λリ゚ -゚ノノ「どうする?
        1.にこやかに話しかける。
      →2.力で叩き伏せる。
        3.金銭を与える 」

(´<_` ;)「は?」

散々逡巡した後、何やら物騒な所で矢印が止まったような気がする。
気がするだけだ。
断じて気がするだけ……。

∫λリ゚ -゚ノノ「どうする?
         1.にこやかに話しかける。
      ⇒『2.力で叩き伏せる。』
         3.金銭を与える 」

(´<_` ;)「ОМ МY GОООООООООD!!」


……やっぱりオトジャは逃げる事にした。


 △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼


73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:01:53.97 ID:EjiOWoDhO
てらしえん

74 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:02:46.96 ID:Cigvsslw0
 
 △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼

( ´_ゝ`)「だからオレはこう言ってやったのさ!!
      『John!!それは君のワイフだ!!』ってなwww」

l从*・∀・ノ!リ人「HAHAHAHA!!
         面白いのじゃwww。もっと話をしてくれなのじゃwww」

薄暗い山から太陽の降り注ぐ村落へと出たアニジャは、まずは幼女を落ち着かせる事を選択した。
幸い餓鬼達の死体は綺麗に片付けたし、襲われた場所からも少し離れている。
人間の鼻には血の臭いも届かないだろう。

幼女にはアニジャの話の詳しい内容までは理解できなかったが、何故かどうしようもなく笑いが込み上げていた。
コロコロと腹を抱えて笑う幼女に気を良くしたアニジャは、次から次へと飛ばしに飛ばす。

( ´_ゝ`)「ん〜、じゃお次は……、よし。弁護士の話を……。
      あれは? ちょっと待ってくれ幼女 」

残像が残りそうなほど素早い身ぶり手ぶりを一旦止めるアニジャ。
視界に猛烈なダッシュをかけて来るオトジャが映ったからだ。

足音なら随分前から聞こえていたのでこちらに向かっている事は知っていたが、
アニジャが見たオトジャは何やら深刻な顔をして冷や汗すら浮かべている。


75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:03:55.84 ID:EjiOWoDhO
ちょう支援

76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:04:20.75 ID:V04Yj5+e0
支援

77 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:04:30.36 ID:Y4vUFFkWO
作者の携帯です
さる!

78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:05:17.52 ID:EjiOWoDhO
蝉が鳴いてる支援

79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:06:47.11 ID:EjiOWoDhO
俺が頼りないばかりに………

80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:09:17.77 ID:EjiOWoDhO
アピタ

81 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:12:23.81 ID:Y4vUFFkWO
さ〜るさ〜るさるおさるのこ♪

82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:12:45.04 ID:jH9ITE9eO
支援

83 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:14:21.29 ID:Cigvsslw0
てs

84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:14:56.26 ID:EjiOWoDhO
これはとけるまで無駄にレスしないほうがいいのか?

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:15:18.89 ID:TyrvWw3XO
yeaaaaaaah!
さるふっ飛んだー?

支援

86 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:16:21.96 ID:Cigvsslw0
 
( ´_ゝ`)「お〜い。血相変えてどうした弟者?
      まるで究極の生命体(アルティミット・シイング)にでも追いかけられているような―― 」

オトジャにとっては苛つくほどのんびりとした間延びした声だった。
こんなに必死なのになぜ分からない?
オトジャはもう面倒なので単刀直入に言う。

(´<_` ;)「逃げろ兄者!!
      デビルサマナーが来る!!」

( ´_ゝ`)「デビルサマナー? 何それ?」

どう言えばこのバカ兄貴に事態の深刻さを理解させる事が出来る!?
とりあえず危機を察知させるような存在を──

(´<_` ;)「母者みたいなものだ!!」

(; ´_ゝ`)「母っ!!
      う…うろたえるんじゃあないッ!! 吸血鬼はうろたえないッ!! 
      馬鹿め、弟者!! こんな東洋の小さな島国にあの化け物がいるはずが──」

(´<_` ;)「母者じゃない!! それに近い者に追われていると言っているんだ!!」


87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:16:45.24 ID:V04Yj5+e0
支援

88 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:17:38.79 ID:Cigvsslw0
 
ようやくこの危機的状況が理解できたようだ。
オトジャは迫り来る土煙を指差す。
そこには鬼の様な形相をしつつもそれすら美しいと思わせるデビルサマナーの姿が!!

∫λリ゚ -゚ノノ「コッチヲ見ロデゴザル。
        オイ……コッチヲ…見ロッテ、言ッテルノデゴザル 」

アニジャはそれを目の当たりにして事の重大さを本格的に悟った。

(; ´_ゝ`)「なんだアリャ!? 遠隔自動操縦型か!?
      完全にプッツンしてるぞ、弟者!!」

(´<_` ;)「だから逃げるんだよぉ〜、兄者〜!!」


──この時、この後数百年生きる事になる吸血鬼兄弟はまだ二十歳。


……オトジャはまだ紳士になり切れていなかった……



89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:19:11.00 ID:V04Yj5+e0
シアーハートアタックwww

90 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:19:23.57 ID:Cigvsslw0
 
了解の合図などするまでもない。
狂人の相手はまっぴら御免だと脱兎のごとく駆け出そうとするアニジャ。
だがその足に何かがしがみ付いてきた。

l从・∀・ノ!リ人「……」

(; ´_ゝ`)「幼女っ!! すまないがオジサンはこれから逃げないといけないんだ 」

オトジャは小さな幼女が眉をしかめ、口をしっかりとへの字に結び、
力一杯にアニジャの右足にしがみ付いているのを見た。

(´<_` )「?」

l从・∀・ノ!リ人「嫌じゃ!!」

そう言ってアニジャの正面に回り込み再びしっかりとしがみ付く。
幼女の頭は丁度アニジャの両足の付け根辺りに位置するが……

(´<_` ;)「まさか兄者……」

(; ´_ゝ`)「いや!! 違うんだ弟者!! 断じてオレは!!」

(´<_` ;)「ОМ МY GОООООООООD!! 」

……後に友人から『本当の紳士』と評されるオトジャ・ヒロヒコ・バレンタイン、この時二十歳。
  
しつこいようだが彼は、まだ若年故に紳士になり切れてはいなかった。


91 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:21:24.12 ID:Cigvsslw0
 
∫λリ゚ -゚ノノ「腹の底から『ザマミロ&スカッとサワヤカ』の笑いが出てしょうがねーでゴザる。
        これで一族の者に拙者を認めさせることができ申す。
        さ、速やかにこの魔封管の中に入られよ 」

と、兄弟がもたもたしている間にデビルサマナーは既に手が届きそうな位置に迫っており左手を突き出した。
美しく磨かれた二本の銀の筒が指に挟まれている。
その銀筒には蓋があったが、何もせずに開きそこから緑の光が覗く。

オトジャは母親の話を覚えていたのでこれが何を意味するかを知っている。
アニジャはすっかり忘れていたが、明るいグリーンの不思議な引力を感じて理解した。
自分達を捕らえるつもりだと。

デビルサマナーの右手は双刀のうちの一本を握っている。
片手で扱うには長すぎる刀を、美貌の剣士は造作もなく目の高さに一文字に突き出し構えていた。

(# ´_ゝ`)「ふざけんな!!
      こちとら冒険にかこつけてやっとこさ母者から自由になったんだ!!
      また不自由な暮らしを強いられて堪るかってんだ!! ペッペッ!!」

(´<_` )「デビルサマナー。
      兄者の言う通り、私達は自由というものを生まれて初めて堪能している。
      手放すつもりはない 」


92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:22:15.31 ID:iujDGvY10
草食系男子

93 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:22:35.83 ID:Cigvsslw0

アニジャは足に纏わりついていた幼女をそっと後ろにやると、半身になり拳を軽く握った。
オトジャも同じ様な構えを取る。
出来れば戦いたくはなかったが、必要ならば避ける理由もない。
 
∫λリ゚ -゚ノノ「それでは仕方ない 」

(; ´_ゝ`)「お?」

デビルサマナーはそう言うと拍子抜けするほど簡単に刀を鞘に納めた。
兄弟は何が起こったか一瞬理解出来ずにお互いを見合う。
相手に自分達をどうこうする気がなくなった事、
そして未だに戦闘の構えを取っている自分達に気付いて訳も分からぬままに拳を下ろした。

∫λリ゚ -゚ノノ「明確な意思を持っている者を無理やり従えても意味がござらん。
        ただの野良犬なら力で捻じ伏せてやるのも良いが……。
        お主らは違うらしい 」

涼風を受けた様な心地良さを感じた。
冷水を肌に弾かれたような爽快感のある物言いだった。
  

94 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:24:13.39 ID:Cigvsslw0

∫λリ゚ -゚ノノ「しかし西洋の魔物など滅多に出会えぬ。
        諦めるにはあまりに惜しいでゴザル 」

(´<_` )「ならばどうする?
      私達の考えは変わらない。
      どうしても、というなら相応の抵抗をさせてもらうが?」

と、言うオトジャも恐らくそうする必要はないであろうと言う事を理解しつつあった。
どうやら何かを悪巧みするような人間ではなさそうだ。
  
∫λリ゚ -゚ノノ「友達になろう。
        先程も申したが、拙者の事は"クー"と呼んでくだされぃ 」

(´<_` )「は?」

だがこの申し出は意外だった。
確かに人間の友人は何人もいる。
しかし魔を狩る退魔師が自分の方からそのような事を望まれたのは初めてだ。

∫λリ゚ -゚ノノ「ささ、長旅で腹が減っておろう?
        白米の握り飯にゴザル。
        なに、遠慮はいらぬ。友ではないか 」


95 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:25:33.87 ID:Cigvsslw0
 
そう言うと肩に斜めに掛けた布袋から、白いボールの様な物を取り出して鼻先に突き出してくるではないか。
恐るべき形をしているが、匂いから察するにこれは食べ物のようだ。
しかし退魔師がこのような事をするだろうか……

(´<_` ;)。o ○(怪しすぎる……。毒でも仕込んでいるのではないだろうな……)

( ´_ゝ`)l从・∀・ノ!リ人「「いただきまーす♪」」

(´<_` )「な!! 兄っ!!」

用心深いオトジャが虚しくなるほど、アニジャは何も考えていなかった……。
 
(* ´_ゝ`)「美味いな、幼女 」

l从・∀・ノ!リ人「美味いのじゃ、兄者 」


96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:26:45.22 ID:EjiOWoDhO
母者と敵のヴァンパイアどっちが強いんだろうか支援

97 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:27:47.21 ID:Cigvsslw0

しかしガツガツと食いつくアニジャの様子に可笑しなところはない。
少しずつオトジャの疑念も晴れていく。
それは雨上がりに日が射すようで、さほど悪い気はしなかった。

∫λリ゚ -゚ノノ「ホレ。お主もそう怖い顔をせんで食え。
        美味い物を食えば気も晴れようというもの 」
 
(´<_` )。o ○(……ふ。警戒するのも馬鹿らしいwww)

∫λリ゚ -゚ノノ「美味かろう?」

オトジャはクーが再度差し出した握り飯を受け取ると一口齧ってみた。
その様子を美しきデビルサマナーが茶色い大きな目をしっかりと開けてじっと窺っている。
二度、三度と咀嚼するとオトジャの口から自然と感想が漏れた。

(´<_` )「美味い 」

本当にそう思った。

 △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼


98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:28:05.83 ID:ksRqmApy0
支援

99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:29:09.64 ID:V04Yj5+e0
支援

100 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:30:18.52 ID:Y4vUFFkWO
マジでごめんなさい
またさる

101 :久しぶり支援:2009/04/25(土) 22:30:38.15 ID:MZxkdh8lO
母者アーカードかwwww
なんか納得したwww

102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:33:26.62 ID:nEzTeTk6O
規制でなければ…
携帯つらい支援

103 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:33:39.22 ID:Y4vUFFkWO
あ、今でちょうど半分くらいス

104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:35:13.92 ID:5XtmbSVD0
おk 支援す

105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:35:59.29 ID:EjiOWoDhO
孔雀王みてーな

106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:37:09.74 ID:MZxkdh8lO
支援支援

107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:39:48.91 ID:onTFsfgOO
ペース早いんかな?支援

108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:39:59.50 ID:MZxkdh8lO
がんがれ

109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:40:03.61 ID:iujDGvY10
支援

110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:40:33.95 ID:5XtmbSVD0
支援す

111 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:40:44.81 ID:Cigvsslw0
てs

112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:40:49.40 ID:onTFsfgOO
もういっちょ、さるとんでけ支援

113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:41:04.09 ID:9O+ktxpe0
古本屋で孔雀王見つけて読んでみたら面白かった
勧めてくれてありがとう

114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:41:10.28 ID:fo0CYxs2O
変態紳士支援

115 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:41:25.04 ID:Cigvsslw0
 
 △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼

( ´_ゝ`)「ところで幼女。お前は一体何だ?
      見たところ、その辺の住民より身なりも良いみてーだけど?」

腹も落ち着いた所で、アニジャは当たり前のように自分にくっついている幼女を思い出した。
幼女はやっと半分程度の大きさになった握り飯を食べるのを止めると、信じられないという顔でアニジャを見る。

l从;∀;ノ!リ人「ぶわっ!!」

(; ´_ゝ`)「な!!なにー───!?
      なんだ!? オレなんか悪い事言ったのか!?」

そして突然泣き出した。
火が点いたように大泣きする。
ヒステリーを起こした幼い子供を相手にするのは初めての経験で、アニジャはどうすればいいのか分からない。
オロオロするばかりのアニジャはオトジャに助けを求めるが、肝心の弟の方もこんな経験初めてだ。

そんな中、流れるような仕草でふわりと幼女の背を包むように横に座ったのがクーだ。
幼女の着物を丹念に丹念に指でなぞり、ある所に来てピクリと止まる。
兄弟が見ると、大小二つの花を重ねたような刺繍がそこにあった。
別段気を止める程のものとは思わなかったが……


116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:41:34.97 ID:jij53JZi0
紳士一歩手前支援

117 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:42:49.00 ID:Cigvsslw0
 
∫λリ゚ -゚ノノ「どれどれ……
        む? これは織田家の家紋ではござらんか 」

(´<_` )「織田家? 」
 
五つの外郭の中に唐ノ花。
兄弟の目には何の変哲もないただのお洒落な模様に見えたが、
これはこの時代に於いて身分を明らかにするには充分過ぎる程役に立つ。

∫λリ゚ -゚ノノ「うむ。実は拙者、その織田家に客分として招かれておってな。
        丁度そこの殿様に会いに行くところでゴザった 」

( ´_ゝ`)「殿様?」

(´<_` )「領主や王のようなものだろう兄者 」

( ´_ゝ`)「すると金持ちだな……」

アニジャの口から覗いた長い八重歯が光った。
金持ち!寄生せずにはいられないッ!!


118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:43:02.50 ID:5XtmbSVD0
支援す

119 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:44:11.82 ID:Cigvsslw0
 
∫λリ゚ -゚ノノ「その家紋付きの着物を着ているという事は、縁の者かもしれんな。
        どれ。拙者が連れて行ってやろう 」

クーが幼女を抱き上げようと両手を差し出すと、着物に染み込んだ麝香が香った。
しかし幼女はクーを拒否するようにアニジャの足にしがみ付く。

l从;∀;ノ!リ人「嫌じゃ。私は兄者と一緒にいるのじゃ 」

幼女の目は不安に曇っていた。

(´<_` )「兄者。随分と懐かれているな 」

おかしな話だった。
今でこそアニジャの軽快なトークで幼女の機嫌を取り繕ったが、
最初の一目から幼女はアニジャに対しての警戒心は皆無だったように思える。
それ以上にアニジャが気になるのは──。

( ´_ゝ`)「それにしてもコイツ、何でオレの名前知ってんの?」

(´<_` )「私に聞かれても困る 」

アニジャは一度も名乗ってはいない。
たまたま助けただけだったが、それからずっとベッタリだ。
誰かと聞けば泣き出すし、事情を聞くにも明確な返答を期待するには少々幼すぎるようだ。


120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:45:00.77 ID:5XtmbSVD0
支援す

121 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:45:58.24 ID:Cigvsslw0
 
( ´_ゝ`)「オッケーオッケー。じゃ、オレ達もその殿様とやらの所に行こうぜ。
      金持ちなんだろ? 良い所に泊まれるかも知れねぇぜ?」

(´<_` )「全く……。とはいえ特に目的も何もないからな。
      クー。同行させてもらってもいいだろうか?」

とりあえず保護者が誰かは分かっているのだ。
そこに連れて行くのが一番良いだろう。
アニジャがあまりにも本音を隠さないので、オトジャは申し訳なさそうにクーに了解を取る。

∫λリ゚ -゚ノノ「良いも何も、拙者はお主らも連れて行くつもりじゃ。
        ささ、行くでゴザル 」

クーの返事は快諾だった。

 △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼


122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:46:22.87 ID:5XtmbSVD0
支援す

123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:46:40.00 ID:MZxkdh8lO
支援

124 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:47:08.02 ID:Cigvsslw0
 
 △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼

(* ´_ゝ`)「そこでオレはこう言ってやったのさ!!
      『弁護士だって!?天国にいるわけないだろう!?』ってな!!」

l从;∀;ノ!リ人「KERA KERA KERA!!
        腹が痛いのじゃwww」

(´<_` ;)。o ○(兄者……この時代まだアメリカは……)

あまりにも時空を超え過ぎた兄の行動にハラハラする弟。
幼女はアニジャの肩にちょこんと腰かけ機嫌良さそうにしていた。
アニジャは幼女がバランスを崩して落ちないように、そっと後ろから手を添えている。

∫λリ゚ -゚ノノ「着いたぞ。
        あれが織田方の陣でゴザル 」

クーが指差した先は目算で1〜2キロはあったが、多数の人間が集まっているらしいことは確認できた。
左手と後ろには急勾配の山と川が流れ、右手にもほぼ同じような地形。
吸血鬼の目は、慌ただしく出入りする騎馬や整然と整列する槍兵や弓兵の姿も捕らえていた。


125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:47:20.36 ID:onTFsfgOO
支援

126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:47:49.83 ID:5XtmbSVD0
支援す

127 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:48:04.49 ID:Cigvsslw0
 
(´<_` )「……戦か?」

オトジャは人同士が争う事はあまり好んではいない。
しかし争う両者の間には絶対に譲れない物がある事は承知している。
戦のための陣を見て良い顔はしなかったが、『譲れない物』のために命を賭ける者には興味があった。

∫λリ゚ -゚ノノ「うむ。この国では八十年ほど前の応仁の乱以降ずっとこの調子……
        しかも最近は少々厄介でな。
        それで拙者に声がかかったのでゴザル 」

(´<_` )「……厄介?」

妙に引っかかる言い方だった。
そもそもデビルサマナーが戦場という言わば兵士達の晴れ舞台に現れるということ自体が妙だった。
退魔師とは常に闇の中で闇の内に暗躍するものだ。
何故なら彼らが封殺すべき妖魔は、世の影の部分から決して出てはこないのだから……。

∫λリ゚ -゚ノノ「おいおい話そう。 
        ホレ、早く行くでゴザル 」

早く行こうと催促するクー。
オトジャの頭にはしこりのような薄靄がかかる。


128 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:49:56.10 ID:Cigvsslw0
 
(* ´_ゝ`)「そこでオレはこう言ってやったのさ!!
      『今なら弾丸一発で済むぜ!!』ってな!!」

l从;∀;ノ!リ人「ひぃーwwwひぃーwww
         サイコーなのじゃ!!」

だがこの兄はこれっぽっちも気にしていない。
というより、そもそも話すら聞いていない。
やはり自分に対して好意を持つ相手は可愛いものだ。

アニジャは間断無くしゃべり続け幼女は過呼吸を起こしそうなほど笑っている。
今は丁度、主人が浮気した妻とその恋人の殺害を殺し屋に依頼する話のオチがついたところだ。
このときオトジャは心底こう思った。

(´<_` ;)。o ○(おい兄者。子供にそのジョークは止めろ )

 △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼


129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:50:54.63 ID:t9UQUaWI0
支援

130 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:51:24.29 ID:Cigvsslw0
 
 △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼
((
ミ ´_ゝ`)「ふぃー。今川め……」

精悍な顔つき、気迫、眼力。
陣はそのような男たちで溢れていた。
その中でも特に目を引くその男は苦笑した。
((
ミ ФωФ)「殿!! 吾輩にお任せ下され!!
        必ずや義元の首、こちらに持参して御覧に入れよう!!」

瞠目し、まくし立てるこの男も顔には覇気が満ち溢れていた。
少々肥えてはいるこちらの男は、悪く言えば融通の利かなそうな顔だが裏返せば意志の強さを物語る。
((
ミ ´_ゝ`)「あ? 止めとけって。
      お前だって知ってんだろ?」
((
ミ; ФωФ)「しかし!!」
((
ミ ´_ゝ`)「良いって良いって。
      オレの秘密兵器がもうすぐ来っからよ 」

『殿』と呼ばれた男はじろりと小太りな男を見た。
それで何とか思い留まったようだ。


131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:52:18.13 ID:MZxkdh8lO
妹者かわいい

132 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:53:14.50 ID:Cigvsslw0
 
その時、一人の兵士が泡を食った様子で駆け込んできた。

「殿っ!! 不審なる者共を捕えました!!」
((
ミ ´_ゝ`)「不審者?」

「はっ!!
何やらかぶいた格好の男2人に、侍が1人。
幼き少女を連れておりましたので保護いたしました!!」
((
ミ ´_ゝ`)「こんな戦場に……少女だと?」

報告の内容で一気に緊張が張り詰める。
『不自然なこと』などあってはならない。
──この戦に関しては、敵を考えると決してあってはならないのだ。
((
ミ ФωФ)「怪しゅうございますな。
        もしや今川の放った……」
((
ミ ´_ゝ`)「おい、今すぐ連れて来い!!」

「はっ!!」

脱兎の如く踵を返す兵士。
残った二人の武者は、固い覚悟を決めて腰に下げた大刀に手を添えた。


133 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:54:42.43 ID:Cigvsslw0
((
ミ; ´_ゝ`)「っ!?」

l从・∀・ノ!リ人「あれ?兄者?
         さっき牢屋に連れて行かれたのに?」

しかし兵士が連れてきた幼子を見て驚愕する。
城に置いてきたはずの妹が戦場に現れたのだ。
即座に兵士から少女を奪うように取り上げ怪我がないか丁寧に確認した。
着物が少々汚れたり破れたりはしているが、幸いにも無事なようだ。
((
ミ ´_ゝ`)「お前、なぜこんな場所に!!」

l从・∀・ノ!リ人「兄者に連れてきてもらったのじゃ 」
((
ミ ´_ゝ`)「??
      おい、不審者とやらを連れて来い 」

「はっ!!」

命令と同時に跳ぶように駆け出していく。
顔を緩める事はないが多少緊張は薄れた。
今現在、嬉しそうに自分に纏わりついてくる妹。

これが無事でいるという事は少なくとも危害を加えてくるような輩では無いはずだ。
 

134 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:55:47.36 ID:Cigvsslw0
 
(# ´_ゝ`)「おい!! 離せこのヤロウ!!
       ぶっ飛ばすぞこのヤロウ!!」

(´<_` )「クー。
      君はこちらに招かれているのではなかったのか?」

∫λリ゚ -゚ノノ「大方、末席の者まで話が行き届いていないと言うことでゴザろう。
        なに、拙者らが連れて行かれるのは殿様の元だよ 」

ぎゃーぎゃーぎゃーぎゃーぎゃーぎゃーと、喚き散らす声が姿を見る前から聞こえる。
小太りな男の方はあからさまに不快感を顔に出した。
彼は戦場とは魂を賭けて闘う神聖なものだと心得ている。
((
ミ; ´_ゝ`)「何と!!」

縄でぐるぐる巻きにされた三人が兵士に連れて来られた。

なるほど。
二人は見たこともないような南蛮の物と思わしき衣類を身につけているし、
残りの一人は目の覚める様な美貌を備えているが、およそ戦場には似つかわしくない真っ白な着物を着ていた。
これ程目立ついでたちで戦場に出ようものなら、その瞬間敵兵に目を付けられ次に訪れるのは討ち死にだろう。
見事な迄のかぶきぶりだった。


135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:55:48.66 ID:srge/8oc0
支援

136 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:56:46.19 ID:Cigvsslw0
((
ミ ´_ゝ`)「ほぅ……ほぅほぅほぅ!!」

(# ´_ゝ`)「あ?何だテメェ?」

そしてその中で最も興味を持たれているのはアニジャだった。
息がかかる程近くで顔を舐めるように見られるアニジャ。
かなり不快な思いをさせられて目を見開いて睨み上げると──
((
ミ# ФωФ)「無礼者!!
        殿に向かって何という口を!!
        そっ首叩き落して──」

神経質そうな顔をしていたプチピザが刀を半分まで抜いて叫んだ。
しかし無礼を働かれた当人が即座にそれを制止した。
((
ミ ´_ゝ`)「まぁ待てよ。
      これはスゲェな。妹が間違えるわけだ 」
((
ミ ФωФ)「と言いますと?」
((
ミ ´_ゝ`)「ホレ。こうやってこうして……」

そう言いながら突然アニジャの髪を引っ張りいじくり回す。


137 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:57:52.58 ID:Cigvsslw0
 
(# ´_ゝ`)「痛っ!! いてててて!! もっと優しく扱えアホ!!」

かなり強く扱われているので髪ごと頭皮が引っ張られ、それにつられてアニジャの顔も歪んだ。
 
アニジャの抗議の声もそんなに気にすることなく、次々と髪をまとめあげていく。
そして最後にまとめた髪を紐で括って作業を終わらせた。
((
ミ ´_ゝ`)「こうすれば……」

どうだと言わんばかりにアニジャの頭を軽くはたいた。
オトジャ、クー、そしてピザは揃ってアニジャの顔を覗き込む
そして目を丸くして呟いた。
((
ミ; ФωФ)「そっくりなのである……」

(´<_` )「そっくりだ 」

感心したように言うオトジャ。
全く人事の様な言い方だ。
オトジャにとってはやられたのが自分では無かったので良かったなと言う感じだったが、アニジャは堪らない。


138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 22:59:37.29 ID:EjiOWoDhO
支援

139 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 22:59:59.40 ID:Y4vUFFkWO
今夜三匹目のさる!
まぁ、お茶でもどうぞ

140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:01:16.06 ID:EjiOWoDhO
コーラ飲んでくる!

141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:01:46.30 ID:srge/8oc0
支援支援

142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:02:10.56 ID:qgJ6T99TO
緑茶飲みつつ支援

143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:02:39.16 ID:fo0CYxs2O
ハイパー支援タイム

144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:03:05.73 ID:t9UQUaWI0
しえーん

145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:03:24.19 ID:fo0CYxs2O
支援

146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:03:44.75 ID:TyrvWw3XO
紳士じゃありませんが紅茶を飲んで支援

147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:04:10.97 ID:5XtmbSVD0
支援す

148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:04:31.53 ID:fo0CYxs2O
支援支援

149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:05:21.77 ID:fo0CYxs2O
支援

150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:05:36.82 ID:nEzTeTk6O
wktk支援

151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:06:41.77 ID:fo0CYxs2O
支援支援

152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:07:58.97 ID:fo0CYxs2O
支援

153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:09:34.29 ID:fo0CYxs2O
支援支援

154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:10:02.10 ID:MZxkdh8lO
オラオラ支援

155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:11:31.35 ID:fo0CYxs2O
支援

156 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:11:31.59 ID:Cigvsslw0
十分経ったが……

157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:12:21.38 ID:MZxkdh8lO
長期戦支援

158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:12:41.17 ID:qgJ6T99TO
支援しえん

159 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:12:47.20 ID:Cigvsslw0
((
(# ´_ゝ`)「お前だって同じ顔だろ、弟者!!」
((
ミ ´_ゝ`)「こっちは……ん〜、なんか違うんだよなぁ……」

(´<_` )「だそうだ、兄者 」

アニジャの変わり果てた姿にうっかり笑いそうになる。
何とか表には出さなかったが、アニジャは弟の考えている事くらい分かる。
へそを曲げてプイッと顔を背けた。
((
ミ ´_ゝ`)「ところでそっちのアンタ。
      そ、アンタ。
      もしかして……」

ふと目を止めるのは白い衣の美貌の剣士。
クーは礼を欠かぬように縛られたままだったが背を伸ばし頭を下げた。

∫λリ゚ -゚ノノ「拙者の名は葛葉ライドウ(本当は襲名予定)。
        悪魔召喚師にゴザル。
        この度、殿の檄文を賜り馳せ参じましてゴザる 」

160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:12:49.47 ID:TyrvWw3XO
猿が投下を邪魔できるかーッ
さるはこのブーン系にとっての
モンキーなんだよジョジョォォォォーーーッ!!
支援

161 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:13:35.18 ID:Cigvsslw0
((
ミ ´_ゝ`)「おーおー、やっぱりそうか!!
      そりゃ悪かったなwww。
      おい、早く縄を解いてやれ 」

脇に控えていた兵士がそそくさと縄に刃を入れた。
腹を絞めていた物が無くなり、三人は一息つく。
尤も、吸血鬼兄弟はいつでも自力で縄を引き千切ることは可能だったが、
その行為はあまり好ましくないだろうという配慮の末実行には移さなかった。
 
(´<_` )「お目にかかれて光栄です。
      私はオトジャ・ヒロヒコ・バレンタイン。
      こちらは兄のアニジャ・アラーキー・バレンタイン。
      トランシルバニアから参りました 」
((
ミ ´_ゝ`)「ほぉ〜、異国の者か。
      西洋人のくせに顔は倭人とそう変わらんのだな 」


162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:14:16.88 ID:EjiOWoDhO
彼女ほしい支援

163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:15:01.70 ID:fo0CYxs2O
支援支援

164 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:15:24.00 ID:Cigvsslw0

アニジャはまだ頭に血が上ったままの様なので代わりにオトジャが申し出た。
そしてクーが付け加える。
 
∫λリ゚ -゚ノノ「殿。彼らはただの西洋人ではないでゴザル。
        "のすへらと"という伴天連の魔物にゴザルよ 」
((
ミ# ФωФ)「魔物だと……」

ここにきてまたこの男は静かに殺気を漏らした。
全く、血の気の多い男だな。
そう思ったのはオトジャだったが、不思議と嫌な気持ちはしない。
((
ミ ´_ゝ`)「まぁ待てって、タヌキ小僧。
      その気ならとっくの昔に襲いかかってきてるさ。
      そうだろ? 悪魔召喚師のぉ……」

∫λリ゚ -゚ノノ「クーと 」
((
ミ ´_ゝ`)「クーよ 」


165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:15:26.06 ID:V04Yj5+e0


166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:16:21.57 ID:fo0CYxs2O
支援

167 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:16:41.35 ID:Cigvsslw0
 
クーとて、人間が魔を警戒するのは充分に理解している。
ましてや『この状況』だ。
それでも兄弟の事を偽りなく話したのは、彼らが信じる事の出来る者であり必ず理解して貰えると思っての事だ。

∫λリ゚ -゚ノノ「左様にゴザル。
        こ奴らは拙者の友。悪しき者ではござらん 」

うん。
そう言いながらニヤリと笑う『殿』の顔は見るからに涼やかだった。
((
ミ ´_ゝ`)「さてクーよ。
      今回お前をわざわざ葛葉の里から呼び寄せたのはだな、協力して貰いてぇ事があるんだ 」

∫λリ゚ -゚ノノ「拙者に出来ることならば。
        殿のために刀を振るうとならば、一族の誉れにゴザル 」

ようやく本題に入るのだろう。
クーはそのためにここに訪れた。
この戦いには必要なのだ。



───悪魔召喚師の力が。



168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:16:45.45 ID:V04Yj5+e0
支援

169 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:17:57.74 ID:Cigvsslw0
((
ミ ´_ゝ`)「おう。
      じゃ、そっちの二人も聞いてけよ 」

(´<_` )「承知いたしました。
      おい、兄者 」

( ´_ゝ`)「幼女、メリケンジョークの続きはまた今度な 」


殿とピザ、そしてその軍団は、今大きな戦に臨もうとしている。
十中八九全員が死ぬ戦だ。
万が一にも一人として生き残る事は無いだろう。

人の身であの者達と闘う事は不可能。

───魔の者達と闘うことは不可能。

1467年 応仁の乱勃発。

この国はその後、空前絶後の騒乱に包まれ未だそれは晴れる事はない。
死んだ者は数知れず、流れた血は数知れず。
呟かれた怨恨の言葉は数知れず───。

それらは必然的に彼らを呼び出す結果に繋がる。


魔の襲来である───。



170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:17:58.37 ID:5XtmbSVD0
支援す

171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:18:25.99 ID:fo0CYxs2O
支援支援

172 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:19:48.20 ID:Cigvsslw0
 
邪悪な者達は歓喜した。
この世に死が渦巻いている。

暗がりにじっと潜んで、たまに訪れる快楽を待っていた彼らだがもう待つ事はしない。

少し世に出れば、そこには心地よいモノが吐いて捨てる程山積みになっているのだ。


魔は自身の欲求を満たすために土足で人の世に踏み込み、更なる欲求を求めて居座り始めた。
円滑に欲求を満たす為に『人の姿を借りている』。
そして力が物を言う時代に於いて人の姿をした魔は、
人と魔の見分けが付かぬ者達にとっては信仰するに充分な力を示した。


───魔による人の支配。


多くの小国に分たれたこの国のいくつかは、人の顔をした魔が君臨している。

気付いた者は少ない。
忠義を尽くすべき領主が、魔の欲求を満たすために死ねと言う。
哀れな忠臣はそれだけで死んでいくのだ。

だが気付いた者はいる。
魔が大きな顔をして人を喰らう狂ったこの世。
それに気付いて魔を打ち滅ぼそうと立ち上がった者たちが確かにいるのだ。


173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:20:05.56 ID:qgJ6T99TO
超wktk展開支援

174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:20:22.73 ID:5XtmbSVD0
支援す

175 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:20:30.49 ID:Cigvsslw0
((
ミ ´_ゝ`)「オレ達はこれから今川義元ってのをぶっ殺す。
      間者によると、ヤツら桶狭間っつー谷に陣を張ってくつろいでるらしい。
      逃げ場のない場所だ。都合が良いだろ?
      だが今川義元ってのはな…… 」

今はまだ地方の名も無き小大名。
この時26歳。
後に戦国の覇王と呼ばれる彼の名は───織田信長。
((
ミ ´_ゝ`)「今川に放っていた『草』からの報告だ。
      夜毎に義元の寝所に女官が一人ずつ入るが出てきた者はいない。
      それがどーもな……」

ふぅ……、と腹をくくる様に息を吐く。
((
ミ ´_ゝ`)「食ってるらしいんだわ 」

信長は粛々と言い、同時にぶるっと体を震わせた。
これは武者震いだ。
((
ミ ´_ゝ`)「この国はもう随分前からおかしくなっちまってる。
      今川だけじゃねぇ。
      他でもいつの間にか化け物の類が国を治めてんだ。
      笑えるだろ?」

顔は笑ってはいない。
必ず魔を討ち、人の世を人の手に奪い返そうという戦人の顔をしている。


176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:20:39.18 ID:MZxkdh8lO
支援

177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:20:40.68 ID:fo0CYxs2O
支援

178 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:21:45.15 ID:Cigvsslw0
((
ミ ФωФ)「吾輩は今川の先行として陣を張っている。
        だが我らは動かぬ!!
        義元は吾輩が裏切っていることなど夢にも思うまい 」

それこそがこの二人が長年を賭して積み上げてきた必殺の一計。
彼は人質として不遇の人生を今川義元の元で歩んでいる。
魔の下で素知らぬ顔をして生きる事などこの上ない屈辱だが、このタイミングのためだけに辛抱強く生きて来た。

この時僅か17歳。
この男は名を松平元康といった。
((
ミ ФωФ)「吾輩達は殿の号令の元、そのような魔を打ち滅ぼす為に立ち上がった。
        手始めに今川を、と言う所である。
        しかし魔は何とも強大で不可思議な力を持っている 」
((
ミ ´_ゝ`)「というわけだ。
      協力してくれ 」

随分と軽く言ってくれる。
そう思っていたらこの後信じ難い行動を二人は取る事になる。

二人とも跪き、アニジャ達三人に首を深々と下げたのだ。
主従の礼を重んじるこの時代の武士。
そのトップに立つ者達が、会ったばかりの得体も知れぬ者達に頭を下げて懇願するなど尋常な事ではない。

大事を為すためには小さな事にはこだわらない。
彼らの態度には気持ちの良い爽快感があった。


179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:22:13.96 ID:EjiOWoDhO
支援

180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:23:10.28 ID:EjiOWoDhO
すぇん

181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:23:24.16 ID:fo0CYxs2O
おー家康か支援

182 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:23:42.47 ID:Cigvsslw0
 
アニジャ、オトジャの兄弟の答えは決まった。
この二人、吸血鬼ではあるが元々人間が好きなのだ。
そして何よりも潔い心地好さに心を既に許していた。 

( ´_ゝ`)「ん〜、条件出しても良い?」
((
ミ ´_ゝ`)「何だよ?」

だが集れるものなら集っておきたい。
悪意はないにしても、そう言う抜け目ない所は忘れない。

( ´_ゝ`)「向こう50年、オレ達に飯と寝る場所を用意しろ 」
((
ミ ´_ゝ`)「フッwww」

信長は気持ちの良い涼やかな笑みで返した。

 △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼


183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:23:43.43 ID:MZxkdh8lO
信長兄者かっけぇ

184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:24:45.27 ID:EjiOWoDhO
支援

185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:25:15.25 ID:fo0CYxs2O
支援

186 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:25:38.49 ID:Cigvsslw0
 
 △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼

彼らは戦国の世に躍り出た。
いつの間にか雨が降り始めた雨に打たれながら、三頭の馬が並走する。

(; ´_ゝ`)「それにしても一体何なんだよ、このポニーは!?」

(´<_` )「そう言うなよ兄者。可愛いじゃないか 」

(; ´_ゝ`)「つってもな弟者。これから戦いに出るってのにこれじゃ恰好が……」

この時代の馬は少々サイズが小さめだ。
この後、江戸時代になると更に小さくなるのだが、西洋人の吸血鬼兄弟にとっては仔馬の様に感じられた。
だが強い。
どっしりとした足取りと重心の戦馬は、蹄鉄など無くとも碌に整備のされていない山野を難なく駆けた。


187 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:27:02.23 ID:Cigvsslw0
 
∫λリ゚ -゚ノノ「見えた!!
        アレが義元の陣にゴザる!!」

( ´_ゝ`)「良し!! 行くぞ弟者!!」

(´<_` )「遅れるなよ兄者!!」

見回りの兵達は三人に気付いた。
同時に仰天する。

二万の大群の内の五千人がここに集結し義元を固めている。
だが獅子奮迅の勢いで突入してくるのは───たった三人の騎馬!!

アニジャ達の陣への進入を阻止しようとした見回り兵。
即座に槍を構えようとするもその間もなく馬に跳ね飛ばされる。
三人は一気に陣の中枢まで駆け込んで行った。

「敵襲!! 曲者だ!! 出合え!!出合えー───!!」

即座に囲まれる三人の騎馬。
その迅速さは流石に戦国の兵である。
アニジャ達はゆっくりと馬から降り、周りを囲む五千の兵に歓声を上げた。


188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:27:11.54 ID:sW7iVaSnO
元ネタ孔雀王は劣化エロ漫画として迷走中

189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:27:56.44 ID:V04Yj5+e0
支援

190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:28:07.92 ID:fo0CYxs2O
支援支援

191 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:28:08.00 ID:Cigvsslw0
 
( ´_ゝ`)「スッゲー。訓練されてるなぁ〜弟者?」

(´<_` )「そのようだな兄者。
      だが君達、たった三人の我々なんかに気を取られていて良いのかね?」

その時後方から心が打ち震えるような雄叫びと、数多の馬の蹄の音が迫ってくる。
織田信長、厳選に厳選を重ねて選出した二千の精鋭の襲来だった。


──乱戦。


まさにその言葉が当てはまる有様だった。
信長の二千の精鋭に対し、この時の今川の五千は数こそ勝っているが寄せ集めの雑兵が多かった。
指揮系統が一気に乱れ、敵味方入り混じっての大混戦へと発展する。

∫λリ゚ -゚ノノ「好機!!
        御二方!! 混乱に乗じて今こそ義元の元へ行くでゴザる!!」

三人の判断は一瞬だった。
人を相手にするために来たのではないのだ。
狙うは妖怪大名、今川義元の首ただ一つ!!


192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:29:16.01 ID:V04Yj5+e0
しえ

193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:29:24.20 ID:fo0CYxs2O
支援

194 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:29:34.58 ID:Cigvsslw0
 
瞬く間に陣を賭けていく退魔師と吸血鬼。
不意に空気が変わったのを感じる。
腐ったように澱み、不快な臭いが立ち込めて来たのは陣の中枢。

そこに跳び込んだ三人を見て、居合わせた二十程の身辺警護の武者達は一斉に抜いていた刀を振り上げた。
だがそんなものには目もくれない。


視線の先に居る!!

魔の臭いを垂れ流すその男、今川義元が!!


吸血鬼の脚力は到底人に追える者ではない。
それについてくる悪魔召喚師クーの速さも同じ。

∫λリ゚ -゚ノノ「南無!!」

瞬く間に義元まで距離を詰めたクーは、目にも止まらぬ速さで双剣を抜刀し──

(:´∀`:)ニタァ……

──首を撥ねられるその瞬間、義元は確かに笑った。
その口から人食い特有の不快な臭いを発して。


195 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:30:58.06 ID:Cigvsslw0
 
「大殿!!」

それを見た今川配下の武士達は一気に崩れ落ちた。
大将が打ち取られるとは即ち戦の敗北を意味する。

(; ´_ゝ`)「え?何なに?もう終りなの?
      オレ碌に働いてないんだけど飯と家は大丈夫なんだろうな 」

(´<_` )「こういうものは早期に決するのが一番だ兄者。
      彼らも戦意を失ったようだ。無駄な戦いをせずに済んでよかった 」

クーは黙って自分の刀を見つめた。
そしてたった今、自らの手に感じた感触を思い確信する。
刀についているこの血は、たった今流れた物ではない!!
死んでかなりの時間が経った腐った血だ!!

∫λリ゚ -゚ノノ「まだ終わっておらぬ!!
        心するでゴザる!! 義元は我ら葛葉の調べによると恐らく──!!」

クーの警告の途中。
突然地面から先の鋭い太い杭の様な物が突き出した。

「な……ぁ……ひ!!……あ!!」

地面に力なく膝を突いていた警護兵達が次々とその杭に貫かれ、体を宙に浮かせる。
大人の胴程もある太い杭に、甲冑ごと貫かれた武士達は多くが即死。
だが死に切れなかった数名は、身に起こった不幸と痛みに絶望しながら手足を力なくばたつかせた。


196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:30:58.27 ID:fo0CYxs2O
支援支援

197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:31:42.27 ID:qgJ6T99TO
支援!

198 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:32:58.96 ID:Cigvsslw0

   ふ ふ ふ …… 誰 じ ゃ ろ ……?


( ´_ゝ`)「なるほど……魔か……」

(´<_` )「良かったな兄者。
      どうやら仕事は終わっていないようだ 」
      
何処からか声が聞こえる。
甲高い声だ。
何とも不快感を煽る声。


   儂 の 殺 り く を 邪 魔 す る の は ……


∫λリ゚ -゚ノノ「気を付けられよっ!!
        義元は……!!」

地面から生え、武士達を貫いていた杭。
毒々しい黄色のそれは、今やどす黒い血潮に濡れ不気味な光沢を放っていた。
……それが一斉に蠢く!!
  )) ((
└(:::´∀`)┘「 ど こ の 愚 か 者 じ ゃ ろ !?」 


199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:34:07.36 ID:fo0CYxs2O
支援

200 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:34:07.81 ID:Cigvsslw0
 
地中から顔を出したと同時に杭が一斉に激しい金属音に似た音を立てて一斉に曲がった。
良く見ると杭には節があり、そこを境に蠢いているのだ。
未だに串刺しになっていた兵士の体は、哀れにもその動きにより分断され引き裂かれた。
 
∫λリ゚ -゚ノノ「今川義元は百足の化生!! 大百足にゴザる!!」

キチキチと不快な音を立てながら地面から這い出して来る義元の全身。
全長は……計るのも馬鹿らしい。
濡れたように光を反射させる黒い甲冑の様な玉続きの体には、
凶悪なまでに鋭く長く太い黄色い杭……もとい足がびっしりと生えている。
  )) ((
└(:::´∀`)┘「カ カ カ カ カ ……
         興 が 削 が れ た ……
         主 ら 、 責 任 を 取 れ よ ……」

ぞる……と気色の悪い体を存分に蠢動させ、大百足は天にその巨体を伸ばして鎌首を擡げた。
その姿、戦場のあらゆる場所から確認する事が出来た。

「ば、ばば……化けモンだー───!!」

槍を捨て刀を捨て……、目の前の敵との戦闘を放棄し一目散に逃げ出したのは今川の兵。
無理もない。
彼らは自身が使える君主が妖怪であることを夢にも思っていなかったのだ。


201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:35:01.39 ID:fo0CYxs2O
支援支援

202 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:35:56.26 ID:Cigvsslw0
((
ミ; ´_ゝ`)「追うな!! 逃げ出す兵どもは逃がせ!!
       オレ達の目的は兵を殺す事じゃねぇ!!」
 
対照的に織田軍は相手が魔であることを覚悟して戦に臨んでいる。
それ故、ある程度の覚悟をしていたせいもあってか戦場を放棄する事はなかった。
((
ミ; ´_ゝ`)「ち……オレも逃げたいわ。
      まさかアレほどとは……なwww」

だが目の当たりにした魔はあまりにも強大。
人の手でどうにかなるものではない事は一目で分かった。
信長とて、あからさまに人を超えた魔を実際に目にするのはこれが初めて。
しかし自身が掲げた大義、魔から人の手へ世を取り戻すためにはこれから幾度となく戦う事になる。
((
ミ ´_ゝ`)「おい。逃げたい奴は逃げていい。
      咎めは無しだ 」

信長は二本の足をしっかりと地に据え付け、堂々と大百足の姿を刮目する。
自分で死地に追いやった者たちがあそこで戦っているはずだ。
この軍の将としてここで逃げ出すわけにはいかないのだ。


腹を決めた信長。
そしてこの場から、信長の言葉に甘えて逃げようとした兵は一兵たりともいなかった。



203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:36:37.37 ID:fo0CYxs2O
支援

204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:37:21.16 ID:qgJ6T99TO
ちからのかぎり支援
百足……うぉえ

205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:37:36.89 ID:V04Yj5+e0
支援した!

206 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:38:01.75 ID:Cigvsslw0
  )) ((
└(:::´∀`)┘「 カ カ カ カ カ …… 何 処 か ら 喰 ろ う て や ろ う ……
          腕 か ? 足 か ? 腹 を 裂 い て 腸 を 喰 ら お う か ?
          頭 か ら 丸 飲 み に し て や ろ う か ……?」

同時に鎌首を擡げていた体を鞭のようにしならせ、轟音とともに地面を打った。
そこには誰もいない。
明らかな挑発行為だ。

だが、巨体が地面に与えた壮絶な衝撃が小さな地震となって瞬時に広がる。
大砲を撃ったような音と同時に。

再びゆっくりと体を起こす大百足。
地面には大きく抉られた体と同じサイズの溝が長々と抉られている。
体を打ちつけると同時に、槍の様な無数の足で地面を掻き抉ったのだ。
  )) ((
└(:::´∀`)┘「 カ カ カ カ カ …… カ カ カ カ カ ……」

大百足がこの一撃を無作為に放ったのはいつでも殺せるという意思表示だった。
なるほど。
人間相手ならいともたやすく粉砕し、跡形も残さない事は必至の一撃だ。


207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:38:02.01 ID:fo0CYxs2O
支援支援

208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:38:20.67 ID:/wurjYj1O
支援

209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:39:03.90 ID:fo0CYxs2O
支援

210 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:39:57.97 ID:Cigvsslw0
 
吸血鬼にとっても例外ではない。
まともに受ければ脅威である事は間違いない。

(´<_` ;)「これは……マズい……」

だがオトジャは別の事に意識が飛んだ。
恐るべき事態に冷や汗を流すが、それは大百足という脅威ではない。

大百足……。
その見た目、フォルムがこの場合非常に重要なのだ。

(´<_` ;)「クー。少しだけ離れていようか……」

∫λリ゚ -゚ノノ「怖気付いたかオトジャ殿!?
        敵がいかに強大であろうとも武士───」

(´<_` ;)「離れるんだ、クー!!
      問題は敵じゃぁない!! 兄者だ!!」

オトジャはクーを両腕で抱きかかえるや、強引に敵から距離を取った。
そしてそれは同時にアニジャから離れることも意味する。 


211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:40:22.64 ID:fo0CYxs2O
支援支援

212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:40:25.99 ID:qgJ6T99TO
しえーんぬ

213 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:41:22.03 ID:Cigvsslw0
 
(  _ゝ )「………」

無言で立ち尽くすアニジャを見て大百足は歓喜する。
自分の姿を目にしてこうならなかった人間は未だかつていない。
恐怖に縛られ五体の全てが言う事を聞かない状態、金縛りの状態なのだ。
  )) ((
└(:::´∀`)┘「 ほ ほ ほ……
          ま ず は 御 主 か 。 ど れ ち ょ っ と 喰 ろ う て ……」

嫌味な程ゆっくりとアニジャの頭の先に頭上から近づく大百足の顎。

二本の刃の様な鋏を横に開くとその下に口器が現れた。
血のように赤い口器の中は、数え切れないほどの棘が奥の方に先端を向けて並んでいた。
のみ込んだ獲物を決して外には出さないようにするためだろう。

(  _ゝ )「……シ……」
  )) ((
└(:::´∀`)┘「 ほ ほ ほ ほ …… い た だ き ま──」

大きく開けた口器の中にアニジャの頭部が入った。
あとは噛み砕くだけ。


───その時だった。


───その時だ。


214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:41:34.81 ID:fo0CYxs2O
支援

215 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:42:43.81 ID:Cigvsslw0
  )) ((
└(;:´Д`)┘「BUOooooooRUeeeeeeeeeee!!」

大百足は奇声を上げた。
悲鳴と言っても良いだろう。
次に聞こえて来たのは地に沈んだ時に出した轟音だった。
  )) ((
└(;:´Д`)┘「な!! なんだこれ……グヴォァッ!!」

気が付いたら薙ぎ倒されている。
そして次に訪れたのは口器から堰を切ったかのような勢いで流れ出る黄色い粘液。
同時に信じ難い苦痛に襲われる。

人間の世に降りて数十年。
殺戮に殺戮を重ね、心底酔いしれて来た数十年だ。
その年月で初めての経験だった。

(  _ゝ )「ムシ……蟲か……蟲だな……うん、蟲だ……」
  )) ((
└(;:´Д`)┘「ガァッ……!!」

地に伏している大百足の触角を鷲掴みにして無理やり頭を上げるアニジャ。
自分の体より大きな頭部を造作もなく持ち上げた吸血鬼は、不可解な何かを呟いている。


216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:42:49.94 ID:gTpX8TMK0
支援

217 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:43:35.27 ID:fo0CYxs2O
支援支援

218 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:44:11.33 ID:Cigvsslw0
 
(  _ゝ )「蟲はいかんよなぁ……いかんよ……」

何か言っている。
大百足は至近距離からアニジャの呟きを聞いている。
何か恐ろしい事を予感させる何かを言っている!!

(# ´_ゝ`)「蟲は駆除だ!! 
      駆除駆除駆除!! 駆除駆除駆除駆除駆除駆除!!
      駆除駆除駆除駆除駆除駆除駆除駆除駆除駆除駆除駆除ォッ!!」

駆除!!
その言葉の数だけアニジャの拳が飛ぶ。
吸血鬼の本気の一撃。

固いはずの大百足の甲殻はあまりのラッシュに耐える事が出来ない。
二、三発は弾き返すも、間断なく放たれる驚異の連撃で次第に凹み、砕かれ、弾け飛ぶ。
  )) ((
└(;:´Д`)┘「ごヴぇっ!! ぐヴぉ!! ギャァー───ス!!」

外骨格に守られていた内部の肉は脆い。
アニジャの拳は既にそこに届いている。
大百足は地獄の様な苦しみを、千回分は味わうことになった。


219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:45:05.94 ID:fo0CYxs2O
支援

220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:45:11.19 ID:V04Yj5+e0
しえん

221 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:45:28.91 ID:Cigvsslw0
 
∫λリ*゚ -゚ノノ「凄い!! 凄いでゴザるぞ”のすへらと”!!
         オトジャどの!! 御主もあのような変身を遂げるのでゴザるな!?」

(´<_` ;)「いや……兄者だけだと思う……」

オトジャは幼少時のアニジャのトラウマを知っている。
人間の子と同じように腕白だった時代。
彼らは野山を遊び場にしていた。

様々な動物や虫、草花達に囲まれ愛のある環境で育った二人。
だが悲劇は突然訪れる。

地べたに座り込んで雑談していた少年アニジャ。
そのズボンの裾からするりと入り込む百足……

アニジャはその後三日三晩寝込み、とても大切でデリケートな場所が三倍に腫れ上がった。

(´<_` ;)「それ以来だな。アニジャは虫を見ると……その……」

(# ´_ゝ`)「SATSUGAI!! SATSUGAIせよ!!
       SATSUGAI!! SATSUGAIせよ!!
       KILL!!KILL!!KILL!!KILL!!」

向こうで大暴れしている兄と哀れな大百足を見てオトジャは溜息を吐いた。

(´<_` ;)「……キラーになる 」


222 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:46:05.10 ID:fo0CYxs2O
支援支援

223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:46:27.88 ID:V04Yj5+e0
wwwwwwwwwww 

224 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:46:37.73 ID:/XGytVoj0
くじょおおおお!

225 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:47:20.73 ID:Cigvsslw0
 
最早殻のほとんどは砕かれ意味を為さない。
むき出しの肉はだらだらと体液を垂れ流し、空気に触れるだけで絶叫する程の痛みを運んでくる。
大百足はそれでも死ねない。
魔とはそういう存在だからだ。
  )) ((
└(;:´Д`)┘「お願い……です……。もう終りに……」

ついさっきまで無様に命乞いするとは寸分も思っていなかった。
自分は魔。
超常の魔だ。

蹂躙するための力を持っているはずなのに、
目の前の人と変わらない姿の男はそれを遥かに凌駕する魔性を持っている。

(# ´_ゝ`)「なんだとコラ? お前オレに命乞いしてんのか、あぁ〜ん!?」

アニジャの猛攻がここに来て初めて止む。
しかし大百足には反撃する程の余裕はない。
ただ慈悲を請うしかできない。
  )) ((
└(;:´Д`)┘「はひィ〜〜、はひィ〜〜。や……やめちくれょ〜〜〜〜っ。
         もう戦えない……もう殴るのはやめてくれーっ。
         もう再起不能だよォ〜〜〜〜〜。
         殻が破れちまったァ。足もほとんどブッ飛んだよォ……。
         自慢の大アゴも針金でつながなくちゃぁならねーよ、きっとォ……。」

恥も外聞もなく、ただこの地獄を終わらせてくれる事を願った。


226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:47:21.49 ID:fo0CYxs2O
支援

227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:47:54.41 ID:iTmLvuDiO
支援

228 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:48:33.39 ID:fo0CYxs2O
支援支援

229 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:48:46.04 ID:Cigvsslw0
  )) ((
└(;:´Д`)┘「アンタを食うなんてちょっとしたチャメッ気だよォ〜〜ん!
         他愛のないイタズラさぁ!やだなあ!もう〜〜!
         本気にした? ま、まさか、もうこれ以上殴ったりしないよね……?」
 
(# ´_ゝ`)「一つだけ教えてやろうか?」

あまりにも情けない大百足の現状。
それに同情したのだろうか。
アニジャから返答が返ってきたので大百足はホッとする。

(# ´_ゝ`)「オレは蟲ケラが大嫌いだ。
      つまりお前の命乞いなんざ無駄なんだよ……。
      無駄な事はオレは嫌いだ、無駄無駄……」
  )) ((
└(;:´Д`)┘「えっ!?ちょ、まっ!!」

一瞬助かったと思ったがそれは思い過ごし。
先程を上回るラッシュが……


230 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:49:58.17 ID:Cigvsslw0
 
(# ´_ゝ`)「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!
      無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!
      無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!
      無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!
      無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!
      無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!
      無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!
      WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!
      無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!
      無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!
      無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!!」
  )) ((
└(;:;゚;ж;゚;)┘「ヤッダー バァアァァァァアアアアア!!」

(# ´_ゝ`)「関係ないが、燃えるゴミは月・水・金だ!!」

吹き飛ばされ、蹂躙され、制圧し尽くされる。
遥かに小さな吸血鬼の手によって。
先程を遥かに上回るラッシュは、大百足の命を完全に刈り取った。


231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:50:14.13 ID:b0IwoapaO
初めてさるに感謝

…おかげでリアルタイム支援が可能なんだからなwwwwwwwwwwww

C!!!!

232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:50:19.76 ID:fo0CYxs2O
支援

233 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:50:30.60 ID:iTmLvuDiO
あららー

234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:50:51.36 ID:V04Yj5+e0
何というチョコラータwwwww

235 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:51:16.73 ID:fo0CYxs2O
支援支援

236 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:51:47.85 ID:/XGytVoj0
ジョジョネタいれんなwwww

237 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:52:02.14 ID:fo0CYxs2O
支援

238 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:52:16.33 ID:Cigvsslw0
 
( ´_ゝ`)「フン……。蟲ケラの分際で付け上がるからこうなるんだ。
      蟲は蟲らしく、落ち葉の裏で固まってろってんだ……」

言って想像してみる。
即座にアニジャは青褪めた。

(; ´_ゝ`)「……それはそれでキモいな……」

気持ち悪くなってきたアニジャは、大百足の残骸を見て更に気持ち悪くなる。

なんて酷い殺し方だ……。
我ながらそう思ったが相手が蟲、しかも百足だからいけないのだ。
そうだ。百足が悪い。

(´<_` )「やったな兄者!!」

∫λリ゚ -゚ノノ「アニジャ殿!!見事でゴザる!!」

避難していた二人がアニジャに近づく。

大百足の巨体はアニジャの攻撃によって縦横無尽に『振られ』た。
その下敷きになっては、吸血鬼のオトジャは良いにしても人間であるクーは堪らない。
オトジャが無理やりにでも距離を取らせたのは正解だった。


239 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:53:34.36 ID:fo0CYxs2O
支援支援

240 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:54:28.02 ID:Cigvsslw0
 
───その時、


『『『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉー────!!』』』


(; ´_ゝ`)「な!! なんだ!?」

身を震わす雄叫び。
アニジャの心臓は思わず飛び上がる。
新たな魔の襲来か?

目をキョロつかせながら身構えるアニジャを見てクーは苦笑した。
たった今、鬼神の如き──
いや、鬼神すらも優しく見える強さを見せたアニジャと今のアニジャのギャップが可笑しくてたまらないのだ。

∫λリ゚ -゚ノノ「勝鬨にゴザる!! 見られよ!!」

クーが指差す先。
織田軍二千の精鋭が武器を投げ捨て、大手を振って掛けて来る所だった。


241 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:54:37.92 ID:fo0CYxs2O
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242 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:55:50.10 ID:Cigvsslw0
  
「豪傑様じゃ!! 豪傑様を担ぎ上げろ!!」

(; ´_ゝ`)「おい!! 待てお前ら!!」

抗議も虚しく一瞬の内に担ぎ上げられるアニジャ。
何度も何度も宙を舞い、その度に世界が二転三転する。
体が下を向いたとき、アニジャは見た。
自分を何度も空中へ放り投げる兵達の笑顔笑顔笑顔……。

(* ´_ゝ`)「へ……へへっwww」

これが勝利だ。
土埃と返り血にまみれた兵達の顔は、何処を見ても達成感と歓喜に満ちている。
彼らにこれをもたらしたのは他ならぬアニジャなのだ。
((
ミ ´_ゝ`)「やってくれやがったな!!
      のすへらとの兄弟!! そして悪魔召喚師よ!!」

兵達にまぎれて織田信長が顔いっぱいに笑みを浮かべて現れた。
彼にとっても魔との大きな戦はこれが初めて。
いつでも死ぬ覚悟は出来ていた。


243 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:56:48.48 ID:fo0CYxs2O
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244 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:57:15.69 ID:Cigvsslw0
  
∫λリ゚ -゚ノノ「いや、信長殿。こ度の戦、拙者は殆んど何もしてないでゴザる。
        この兄弟に多大なる恩賞を賜れん事を 」

(´<_` )「我らにしてみれば造作もない相手。
      それに兄はああ言ってましたが恩賞目当ての事ではありません。
      信長様。何卒、御気になさらずに 」

クーの推薦を即座に拒否するオトジャ。
紳士を目指すオトジャにとってこれは至極当然の振る舞いだ。
それに人間を考えなく殺す魔を放ってはおけないというのも事実であり、
要請など無くともその存在を知ればいつか倒していただろう。
((
ミ ´_ゝ`)「お前らにとっちゃ造作もなくとも、オレらにとっちゃ一大事だwww。
      約束通りの物をやるよwww」

だがそんなオトジャの申し出に首を振り、信長はカッと破顔した。
これを拒否すれば不敬に当たる。
オトジャはそう判断し、同時にもっとこの男を見てみたいと思った。

(´<_` )「それではお言葉に甘えて……。
      謹んでお受けいたします。信長様 」
((
ミ ´_ゝ`)「固い固いwww。信長で良いんだよwww」

オトジャはこれにやられた。
織田信長と言う人間の魅力に強く惹きつけられる事になった。


245 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:57:45.54 ID:iTmLvuDiO
支援

246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:58:01.87 ID:fo0CYxs2O
支援

247 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:58:29.56 ID:Cigvsslw0
 
「そーれ!! ワッショイワッショイ!!」

「 ワッショイワッショイ!!」

向こうではまだアニジャの胴上げが終わらない。
アニジャもどうやらこの現状を楽しんでいるようだ。

(* ´_ゝ`)。o ○(よ〜し、いっちょサービスだ )

アニジャはそう思うや否や、上空に投げられた時点で体を捻る。
そのまま空中でキリモミ状態になりくるくると回転した。
吸血鬼の身体能力が可能にした見事なまでのアクロバットである。

……だがそれがいけなかった。

(; ´_ゝ`)「ゴふぇ!!」

あまりの美しさに胴上げしていた兵、全員が見とれてしまったのだ。
呆けたようにアニジャの演技を見ていた兵は、そのまま地面に頭から落ちる所までマジマジと見つめていた。

「大変だ!! 豪傑様が落ちたぞ!!」

「……ダメだ。完全に白眼剥いとる……」

その場は大慌て。
直ちに救護兵が駆け付け泡を吹くアニジャの介抱が始まった。


248 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:59:13.51 ID:fo0CYxs2O
支援支援

249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:59:15.77 ID:/XGytVoj0
wwwwww

250 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/25(土) 23:59:31.27 ID:Cigvsslw0
 
……これが吸血鬼兄弟、日本上陸の全貌である。






          ( ^ω^)ブーンは退魔師稼業のようです━╋RETURNS━━

             ――――第三章・或る兄弟の東方見聞録――――


                       〜その1、ジパング〜終








251 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/25(土) 23:59:41.45 ID:b0IwoapaO
織田兄者=津槻片弾という電波を受信した。

紫煙させてつかぁさい

252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:01:58.70 ID:BuXYJIBAO


タイマシ第3章、第一幕
まずはこれにて?

253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:03:31.26 ID:hR+FnYIeO
乙ー。投下間隔早過ぎないか?

254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:06:03.37 ID:Jbslfo/B0
おっつー
今日はこれでおしまい?

255 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/26(日) 00:11:21.07 ID:OeVIPHI30
元ネタ解説

∫λリ゚ -゚ノノ五代目葛葉ライドウ
…流石兄弟と現代のクーが顔見知り。
 それはこの時代から葛葉一族と兄弟に接点があったから。
 アトラスのゲームの方で五代目が出てこないかどうかちょっと怖い。

((
ミ ´_ゝ`)織田信長
…大波乱要素一号。
 堂々と出してしまった事で物議をかもし出す……かも知れない。
 信長秀吉家康の三人は三人とも好き。

((
ミ ФωФ)松平元康
…大波乱要素二号。
 堂々と出してしまった事で物議をかもし出す……かも知れない。
 信長秀吉家康の三人は三人とも好き。



256 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/26(日) 00:12:26.31 ID:OeVIPHI30
元ネタ解説 2


  )) ((
└(:::´∀`)┘ 百足野郎
…大波乱要素三号。
 実は人間じゃなかったとか自分でもやりすぎとは思うが後のことは知らん。
 因みにアニジャのラッシュの『無駄』の数は、
 多分ジョルノがチョコラータに食らわせた数と同じ……だと思う。

l从*・∀・ノ!リ人 妹者
…妹者可愛いよね。
 趣味は剣玉。



257 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/26(日) 00:13:39.79 ID:OeVIPHI30
 
はい。

というわけで吸血鬼編第二弾
〜或る兄弟の東方見聞録〜
今日の分はこれで終わりです。

お楽しみいただけましたでしょうか?

途中何度もさる食らってしまい申し訳ありません。

この章はかなりぶっ飛んでますが、どうしても書きたかった章でもあります。
歴史に詳しい人に対してはかなりキワドイ設定もありますがご容赦ください。


流石兄弟書くのは楽しすぎる


では次の投下で


258 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:15:15.52 ID:hJkKifpz0
乙!!

259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:15:23.67 ID:/gSQZmrtO
やっぱり面白ぇな!乙っした!

260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:15:52.40 ID:k+C2Xrv1O
おつ!

261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:17:06.47 ID:BuXYJIBAO
>>257

危なく見過ごすところだったよ…面白かったZE!!!!

新章つづきを楽しみにしてるYO

262 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/26(日) 00:19:04.53 ID:OeVIPHI30
忘れてた

今夜もたくさんの支援ありがとうございました!!
じゃ、お休み!!

263 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:20:15.27 ID:9BIpFcoOO
乙!
次回が楽しみ。

264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:24:09.06 ID:Pf4YcO97O
よくこんなにwktkする話考えられるよな…
参考になりました!乙!

265 : ◆FnO7DEzKDs :2009/04/26(日) 00:29:19.98 ID:OeVIPHI30
どうでも良いけど気づいたから主張させてもらう!!

IDがVIP!!
では!!

266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/26(日) 00:37:13.09 ID:+XtgL365O
楽しみにして待ってたぜ乙!!
兄弟おもしろいwアニジャがいいキャラしてるwww
次回もwktkして待ってるんだからねっ!

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